アイテムボックスは定番だよね。
秋篠という奈良のお酒をもらいました。
ちょっと味が濃いかな、カルパスやチーズをつまみにしても負けないな。
味の濃いつまみで正解。
修理に出していたパソコンが直ったと連絡がきて、お酒も飲んで、ちょっと気分が良い状態です。
何故、アイテムボックスに入らないのか。
何故、一匹分だけ入ったのか、分からない。
分からない状況でやることは1つだ。
「た、助けてくれ~。
ワシには無理だ、どうしようもない!!」
とかく逃げる事だ。
ワシは逃げるのだ。
現代人が、刃物で刺されて無事で済むはずがない。
幸い、ワシには超速再生というスキルが備わっている。
逃げることができれば、後は生命さえのこっていれば、何とかなるはずだ。
ワシは、優秀な人間なのだから!
「ぎゃ?
ギャア?
あ、ギャアギギギギギア。」
なんか言っておる。
背中に何か迫ってきている気がする。
痛い痛い痛い痛い!
背中に何か刺さった!
怖くて後ろを見ることもできず、足を縺れさせて転んでしまう。
ワシは、運動は苦手なんだ。
筋トレ趣味にしている筋肉バカな課長の奴とは違うんだ。
転ぶ途中なにかつっかえる。
どうやら、ゴブリンの槍が刺さったようだ。
これは、前と同じ状況だと反射的に思ったら、槍は消えてしまっている。
ゴブリンの槍×2
アイテムボックスに入っている。
刺さらないと入れられないのか?
こんな仕様のものを渡すなど、クレームものではないのか!
「ギャギャ?
ギャーア、ギャアギャア。」
「ギャあっぎぎゃん?」
「ギャんぎゃん!」
何か話し合っているようだが、ワシには余裕はない。
槍が消えたことで警戒でもしているのだろうが、とにかく今のうちに逃げなければ。
そうしていたら、一匹と一匹、ゴブリンと狼がワシの前に回り込む。
逃げられないのだろうか?
そうおもっていると、ゴブリンがいつの間にか一匹だけになっておる。
槍を持っているやつが残っておる。
これは、チャンスだろうか?
「あら、まだ生きていたの?
運がいいわね。
けど私の役にたてたのだから、光栄に思うべきよ。」
いつの間にか、森の逆側から駆け抜けて逃げていった女性が戻ってきていた。
こいつのせいで、ワシは逃げることができなかった。
こいつ、死ぬまで許さん!
「あら、一匹だけ?
死体もないし、斥候だったのね。
丁度よいわ、戻ってきたら殲滅しましょう。」
女性の後ろから屈強な男や女がぞろぞろと出てくる。
おそらく街の治安を守る近衛兵とかそういうのだろう。
ワシは、ワシは助かったのだ。
「ギギ。」
ワシを甚振ることに集中していて近衛兵共に気づかなかったらしい。
ゴブリンは狼に乗ったまま後ずさる。
いや、後ずさったのは狼か?
「ギギギャアアア!」
やけくそになったのか、槍を振り回しはじめた。
そして、ワシは冷静になりつつある。
翌々考えたら、刃物以外のものが既にアイテムボックスに入っておる。
これで、刺さないと入らないものだったら矛盾が生じる。
手紙だって、まぁ紙は皮膚を切ることもあるが、普通は刺さらん。
とかく、ゴブリンに無造作に近づく。
振り回した槍が当たった瞬間に、槍は消える。
「ぎゃ??」
「なるほど。」
更に近づこうとすると、狼は踵を返して逃げようとするのだが。
「ってー!」
女性の号令で、矢が放たれゴブリンは槍衾になる。
そして、ワシにも若干刺さりそうになるのだが、ワシはさっきのことを強く思い浮かべて、矢もアイテムボックスに突っ込む。
……緊張の糸がきれたワシは、気を失った。
アイテムボックスは、接触限定という事だったようだ。
アイテムボックスって、容量無制限とか、重量無効とか、時間停止とかが有名だけど、生命体を入れることが出来ないという条件以外の入れる条件が少ないことが多い。
なので、接触限定にしています。
次回、もうちょっと検証する予定。