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パワハラジジイがテンプレ転移  作者: ジジイになりつつあるもの
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襲われる馬車って定番だよね。

明日は暇なので、BBWにまた明日行く予定だけど、何故か雨。

そういえば、近鉄の電車賃がえらい値上がりしていてびっくりしたよ。

吞まなければ車で移動するのもいいけど、GW中はやっぱりだめだ。

無駄に渋滞にはまるのはそうぞうできる。

来週からは、日本酒になるかな。

基本的には、東海県辺りのお酒になります。

 右足をみてみると、穴があいており血も流れたようだ。

 しかし、既に痛みはひいている。

 これはあれだ、超速再生というやつの効果か?

 何にしろ、被害はズボンだけで済んだようだ。

 足に違和感は残っておらんし、痛みもないことから銃弾のような残るものではないようだ。

 一応、後ろをみても何も刺さっておらんし、これはあれだ、所謂魔法攻撃というやつではないだろうか?

 実際、一瞬光った気もするし。

 そんなことを考えておると、通り過ぎた馬車から声が聞こえる。


「はっはぁ、囮よろしく!

 私のような貴族の為に死ねるのだ、本望だろうよ!」


 あの女!

 ワシを囮にしたのか!

 ワシのような優秀な人間を失うなんてことがあったら、この世界の損失だぞ!

 いやまぁ、初対面で分かれというのは無理があるのはワシも理解するし、話さなければ優秀というのは伝わらんからな。

 何はともあれ、囮という事が気になって森の方を見てみる。


 体躯の大きい狼に乗った緑の小男。

 それが、3組くらい遠目に見える。

 あれに追いかけられてきたのか?

 貴族なら護衛とかいるんじゃないだろうか?

 モンスターに追いかけられる貴族、馬車、そこに居合わせた異世界人……。

 おお、これはテンプレというやつではないか!

 ワシは少し感動したのだが、翌々考えるとワシには戦闘力なんてものはない。

 30年前ならともかく、今の身体では無理だ。

 

 近づいてくる緑の小男、あれはゴブリンだな。

 ワシはファンタジーに詳しいからな。

 それくらい知っておる。

 そして、狼に乗っているということからゴブリンライダーという、ゲームでは序盤~中盤くらいに出てくるモンスターではないだろうか?

 ……そんな呑気なことを考えている場合ではないな。

 逃げなければ!

 森を背にして走り出すのだが、いかんせん身体が重い。


「ぜぇ、はぁ。」

「ぜぇ、はぁ…………。」

「き、きついぃ。」


 すぐに息も切れる。

 そして、すぐに追いつかれたようだ。

 四足歩行の足音が聞こえる。


「ギャギャギャギャ!」

「グルルルルル!!!」


 獣共の声も聞こえる。

 って近いわ!!!


 後ろを見るとすぐ後ろに、ゴブリンライダー×3がいた。

 一匹が長柄の槍っぽいものを振り回して、ワシに突き刺そうとしてくる。

 これは、ワシはどうすればいい?

 どうすれば生き延びることが出来る?

 これが走馬灯?

 そう考えてしまうほどに過去の経験が頭を巡るが、何1つ役立つ情報が出てこない。


 何にしても歯向かう事が肝心だと考えて街ではなく森の方に身体の向きを変える。

 それと同時に、ワシの腕を槍のようなものが突き刺さる。


「痛った~!

 た、助けてくれ。

 なんでもするから、助けてくれ。」


「ゲギャガギャギャハハギャハ」


 ゴブリンは笑うだけで、まともに返事を返そうともしない。

 どうやら言語形態が違うようだ。

 ガギグケゴの音が強い。

 そんなどうでも良いことを考えてしまう。


 槍が引き抜かれると同時に、傷が再生を始める。

 どうやら、異物があると再生できないと、何処か冷静なところで考えている。


「に、逃げねば。」


 やっぱり逃げるしかない。

 改めて踵を返して森を背にすると、一組のゴブリンライダーが回り込む。

 これは、逃げられないということか?

 

 怪我が自然?と治り、痛みが消えてきたことで、今の自分にはスキルがあることを思い出す。

 この怪我の治りもスキルのおかげだ。

 スキルの鑑定を念じてみる。

 

--鑑定--

 名前:ゴブリン1~3号

 種族:ゴブリン

 スキル:悪食、騎乗(狼のみ)


 名前:狼1~3号

 種族:狼

 スキル:なし

--------


 意味がない!

 見た目通りの情報で、名前が1号~3号、ワシのゲームでの適当なキャラの決め方と同じネーミングではないか。


 そうこうしていると、こんどは後ろから刺される。

 痛い、死ぬ、なんでワシがこんな目に……。

 それにだ、こいつ(もてあそ)んでおる。

 ワシには分かる、嗜虐心が強いのだろう。

 似たような同期がいた、そいつは脇が甘くて左遷されて裁判沙汰になって辞めていったらしいが、こういうときにこういう奴は笑う。

 心の底から、楽しそうな顔をして、反射のように笑いだす。


「ギャーギャギャギャギャギャハハハハハ。」


 ほら、笑い出した。

 S嗜好の奴等はみなこうだ。


 いや、そんなことよりアイテムボックスだ。

 自分の物をどことも知れない空間に収納するスキルなのだろう。

 自分の物というのは、どこまで?

 それに、自分の者というのは思い込みじゃないのだろうか?

 ちゃんとした定義が分からない。

 分からないが、とにかく、アイテムボックスを念じてみた。

 

 --アイテムボックス--

 手紙:一通(神より)

 回復薬:5本

 路銀:金貨5枚(50万相当)

 水筒

 干し肉

 -----------------------


 なるほど、中に入っているものがわかるのか。

 いやいや、そうじゃない。

 今はそういうことじゃない。

「痛、いた、いたぁあがぁぁぁ。」


 再度背中を刺されたワシは、叫びをあげる。

 転げまわりそうになるが、倒れたらもう逃げることも出来ないと思い何とか踏ん張る。

 そして、まだ刺さっている槍をなんとかしたいと考えていると、槍の存在が背中から消える。

 抜かれたわけではない。

 返しがついているわけではないが、綺麗な刃ではない槍の穂先は抜くときにかならず引っかかる。

 同時に超速再生が開始され、傷は消えて改めて普通に動けるようになる。

 改めてアイテムボックスをみたところ、こうなっていた。

 

 --アイテムボックス--

 手紙:一通(神より)

 回復薬:5本

 路銀:金貨5枚(50万相当)

 水筒

 干し肉

 ゴブリンの槍

 -----------------------


 槍がアイテムボックスに追加されていたのだ。


「ふふふ、これは反撃の狼煙というわけじゃな。

 すごく痛かった、貴様ら覚悟しろ‼」


 奴等の持っている槍がこちらのアイテムボックスに移動するように念じてみる。

 ・

 ・

 ・


「何故?」

 変化はない、二匹のゴブリンは問題なく槍をもっている。

 槍を奪ったゴブリンは手元をみて? ?という感じの表情を浮かべておる。


 いったいどういう事なのか検証したいが、とにもかくにも生きて脱出するのが先だ。

 

 

ようやくスキルが出てきました。

3つとも有用なスキルなのですが、3つともに色々と癖があったりします。


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