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変人たちが行く異世界紀行~探究者。人、それを変態と呼ぶ~  作者: バタ足攣り太郎
第四章 祭りの街“フェスティボー”編

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第99話その3 辛さの中の…

前回からの続きです。

3話連続投稿の2話目になりますね。

では、どうぞ!!

「ん?これは辛いけど・・・同時に、しっかりとした旨味があるね。」


店内に苦しみの声が溢れる中、涼しい顔でマスターがそう感想を口にする。


「げほっ!げぇっほ!!・・・た、確かに味は美味しいのですが、いくら何でも辛すぎます!店内もまさに地獄の様相!!皆さん、お水で中和してください!」


実は水では辛味が広がるという説もあるのは、ここだけの話。


閑話休題。


マスターの指摘した通り、このエビチリパスタはただ辛すぎるだけではない。


「なかなかに刺激的で美味いな。」


「大人の味ですわね。」


「辛いよ!!だけど美味しいよこれ!!」


「んっふっふ。大丈夫ですか、モノシリさん?」


モノシリさんに水を手渡すグレフは涼し気な表情だ。


「ありがとう。・・・ふぅ。みんなよく平気・・・」


「くぁwせdrftgyふじこlp!!!???」


「あzsxdfcfvgbhんjmk!?」


「じゃ、無さそうだね。サキー、ルビィレイアー。大丈夫?」


2人に水を手渡すと、勢いよく飲み干していく。


「こ、この世のモノじゃないよ、あれ・・・。」


「た、確かに辛いが、旨味もしっかりと感じる。しかし、辛すぎる。だが・・・」


ぱくっ。


「くぁwせdrftgyふじこlp!?」


ルビィレイアは謎のループに陥ったようだ。


ともかく、そんなユキト一行のように、客たちも徐々に辛さの中の旨味に気づき始めていた


「刺激的な美味しさでしたね。皆さん、少しでも辛さを中和するために、私のパスタをお召し上がりください。」


「こ、これは対決なのですが、よろしいのですか??」


「ええ、かまいません。」


微笑みを浮かべるマスターの顔からは、作った料理への確かな自信と、辛さに苦しむお客への心遣いが伝わってくる。


「わかりました。皆さん、真ん中のパスタをお食べください!」


マスターの作ったパスタ料理。


辛さの中和にも丁度いいであろう、そのメニューは!!


「当店特製、“カルボナーラ”でございます。本来であれば胡椒をお好みでかけていただくのですが、今回はどうぞそのままでお召し上がりください。」


チーズと卵の濃厚な味わいが、舌に残った辛味を中和するのに一役買う。


そもそも、この場合は辛くない料理ならばだいたいが中和に使えるとか言ってはいけない。


そんなマスターの気遣いもあってか、店内のお客たちも落ち着いてきたようだ。


改めて、マスターのカルボナーラに舌鼓を打っている。


「うぅむ。悔しいが美味いねぇ、こりゃあ。」


「そうだねぇ。あんたの作る激辛エビチリなんかより圧倒的に美味しいね。」


「なんだぁ!?それとこれとは話は別でしょうが!ねえ、グラフィエさん!エビチリも美味しかったよねぇ!?」


「まぁ、ちゃんと旨味があって、俺は美味しかったけど。」


「ほぉら、見なさい!」


「グラフィエさんは辛いの好きだから。この人が大丈夫なものは常人には厳しいんだって。ねえ、ベルスターさん?」


「美味しかったけど、あれは辛すぎだよぉ。そういう括りとして楽しむならともかく、普通の料理と並べたらダメなんじゃないかなぁ?」


「やっぱりそうだよね?俺がおかしいんじゃないよねぇ?」


「なにおぅ!?」


激辛が得意でないヴィーレから不満が噴出し、ビガーとちょっとした口論へと発展してしまう。


周囲もヴィーレ側の言い分に納得して見守っていた中、そんな大人げない言い争いをしているおじさんたちへと歩み寄る影があった。


「とりあえず、1回やめてアギの料理を食べて。」


自身の料理の皿を持ったアギである。


「あー、そうだねぇ。まだ、最後の料理に手を付けてなかったねぇ。」


「こんなヒゲと言い争いをするよりも、お嬢ちゃんの料理を食べた方が建設的だ。」


「まったくもってその通り。こんなバカを相手にするよりもよっぽどマシだね。」


「なにぃ?」


「なんだよぉ?」


またも言い争いが始まる予感に周囲が若干呆れる中、アギは両手にフォークを装備。


自分で作ったボロネーゼをくるくると巻くと、ビガーとヴィーレの口へと問答無用で突っ込んだ!!


「「むぐぉ!?むぐむぐむぐ・・・美味っ!?」」


「こ、これは!?アギさんの“ボロネーゼ”、お肉の旨味がものすごいことになっています!!」


いつの間にやら食していた司会が解説しだす。


どうやら、言い争いの裏でアギのフェーズに移行していたようだ。


アギが2人を止めに来るのも納得である。


「お肉自体の旨味と、野菜の甘味。それらが絶妙にパスタと絡んでたまりません!!」


「これは、すごいね。お肉の食感もしっかりしていて、噛めば噛むほど旨味が溢れてくる。下処理に何か秘密があるのかな??」


マスターも思わず目を見開くほどに、アギのボロネーゼは好評のようである。


「・・・これは、負けを認めるしかないようだねぇ・・・。」


そう独り言ちると、ビガーはアギへと歩み寄る。


そして、そのやたら長いコック帽を器用に被ったまま頭を下げ、


「お嬢ちゃん・・・いや、アギさん!!僕を弟子にしてくれないだろうか!!」


と、宣ったのだった。


あと1つだけ続きます。

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