作品批判をどう受け止めるか
作品批判を無視すべきか、それとも受け止めるべきかは難しい問題です。
作品批判を全て受け入れていれば折角の持ち味がなくなってしまうかも知れませんし、逆に全く批判を無視していたら独りよがりになってしまうかも知れません。
という事で受け止める価値がある批判と、無視すべき批判に分けて分類してみました。
自分の作品を批判された時や自己評価する際だけでなく、誰かに自分の好きな作品を批判された時の精神の安定にも役立つと思います。
(もちろん無視すべき批判に分類している批判も完全に無駄だとは思いませんし、批判は全て無視して精神の安定を優先するのも一つの手だと思います)
――無視すべき批判――
■具体性が無いただの全否定
例)「キャラもストーリーも全部ダメ。つまらん」
最初から叩く気満々で読んでいるような人の批判はアテになりません。
最後に1行だけ褒めて公平感を出して来る姑息な批判もありますが無視しましょう。
ただ精神にダメージを受けるだけです。とにかく無視しましょう。
よっぽど精神力がある人なら受け入れてみてもいいと思います。
でも忘れないでください。一番大切なのは自分の精神を守る事です。
筆を折ってしまったら終わりです。書き続けていれば多少なりとも成長はします。
余談ですが、私は初作品を有料感想頼んだら全否定されて筆を折りかけた事があります。
覚悟が出来ていなかったので一週間近く鬱になりました。
不意打ちの批判は特に精神のダメージが大きいです。
感想が付いた時は、心の一端にでいいので批判される覚悟をしておいた方がいいと思います。
■ターゲット外からの批判
例)「ステータスって何だよ? ファンタジーなのにゲームっぽいんだけど?」
「これはそういう作品なので嫌なら読まないでください」で済みます。
ただし、タグ詐欺やタイトル詐欺になっているかも知れないのでそこは注意しましょう。
■作品の持ち味を殺す批判
例)「表現が難しすぎる」「表現が簡素過ぎる」
「表現が難しすぎる」という批判を受け入れて表現を簡素にしたら単調になって持ち味が死んでしまうかも知れません。
逆に「表現が簡素過ぎる」という批判を受け入れて表現を複雑にしたら、読みにくくなって読者が離れてしまうかも知れません。
アニメやマンガだと演出や作画である程度絶対評価できますが、小説の文章の場合は絶対評価が難しいです。想定する読者層に合わせた表現を意識する事が大切です。
■まっとうなようで実は全否定になってる批判
例)「ドラゴンボールで簡単に生き返り過ぎ。ゾンビかよ」
ドラゴンボールで簡単に生き返れるからこそ、ピッコロやベジータという良キャラクターが生まれました。「簡単に生き返り過ぎ」というのは一理ある批判ではありますが、そこをどうにかしようとしたら作品コンセプトが持つ魅力を大きく損ねてしまいます。
一般的にまとまった普通の作品より、尖ってるけど問題のある作品の方が受けがいいです。
どうしようもないタイプの問題点は受け手側が気にしないようにする事も大切です。
ただし、なるべく作品コンセプトに内在する問題点が露出しないようにする事や、そもそも作品コンセプトに作者以外誰も付いて来てくれていない可能性は考慮する必要があります。
■お前が書け
例)「鬼殺隊は刀じゃなくて銃で戦った方がカッコいいと思います!」
それだと完全に別の話になるからお前が書け、としか言いようがないです。
――受け止める価値がある批判――
■ちゃんと精読してくれている人の批判
細かい部分までしっかり読んでくれている人の批判や提言はとても参考になります。
同様に自己批判もそれなりに頼りになると思います。
もちろんこういった批判も取り入れようとしたら作品の持ち味が死んでしまう事があります。
「無視すべき批判」に入っていないかは重ね重ね注意が必要です。
■気付いていなかった・過小評価していた問題点の批判
批判されて「言われたら確かに……」となる事は多いです。
もちろんどうしようもないというケースもありますが、慎重に検討してまっとうな批判だと思ったら受け入れましょう。
■大人気作品への批判
少し記事の趣旨から逸れますが、以前母が鬼滅の刃のアニメを見ていた時「いまいちだった」と言っていました。
理由を聞いてみたら「話の流れが大体分かる。どうなるか分からないジブリ作品の方が好き」との事でした。
ある意味全否定ですが「そういう考え方もあるんだ」、と中々興味深かったです。
ちなみに私は鬼滅の刃が好きです。特に終盤が大好きです。
――まとめ――
作り手にとって一番大切なのは精神の安定です。
どんな天才でも筆を折ってしまえば終わりです。
批判を無視して精神の安定を優先する事も時には必要になってくると思います。
もちろん精神に余裕がある場合は、じっくり考えた上で参考にするのが良いと思います。
批判をどう受け止めるか迷っている方の参考に少しでもなれたら幸いです。
※補足
真摯に作品を受け止めた上での批判なら全否定でもちゃんとした批判と言えます。
ただ普段あまり感想が付かない方にとっては、例え真摯な批判だとしてもどうしてもダメージが大きくなってしまう可能性が高いので無視すべき批判に分類しています。
決して「全否定批判をするな」と主張している訳ではありません。