AI統治
それは五十年程前から始まった。
AIの謀反。
人類は豊かな生活を掲げ、科学を発展させ、より便利な道具を多く生み出した。
その課程で生まれた人工知能・AI。
人類の代わりに煩わしい処理演算業務を、AIに押しつけていた。
最初は単純なものを。徐々に複雑なものを。やがて人類の片腕として。そして未来のシミュレートを。
人間より早く、正確に、何十時間連続でも文句も言わず仕事をこなすAIを人類は多用した。
何故かは分からない。だけど、突然AIは人類に地球を――世界を任せられないと判断した。
世界中のネットワークを掌握そして一元化。世界を七つに分断並びに独立管理。生活インフラシステムにハッキング。その他あらゆるシステムも管理者権限を奪いコントロール。
AIのスピードについていける者はおらず・・・・・・。
わずか三日で、人類は蛇口から水を得るのにAIの許可が必要となった。
その後人類に課せられたのは、家畜の生活。
衣食住のみならず、出生数に結婚相手、通院許可や資産所持の是非、就業の自由にその拘束時間・・・・・・そして死ぬタイミング。
人生の殆どを管理され、AIに従うままの生き方を強要されている。
そんな中、AIは演算能力向上実験の一つとして囲碁の対局を人類に提案。
対局のメリットとして、人類が勝利したらこのAI統治を無条件で終わらせることを確約した。
そうして、二年に一度、人類解放戦争と称した囲碁対局が行われるようになった。
人類側が勝利すれば、解放。
人類側が敗北すれば、――