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プロローグ

――あぁ。これは駄目だな。

人差し指から力が抜ける。旧式のマウスが重く固く感じる。

残り時間を確認する。私の持ち時間は残り七分。この対局、そして私の命が一秒一秒と削られていく。

――しくじったなぁ。

己の思慮の浅さを痛感する。愚直すぎたのだ。

黒と白の偏りには気付いていた。だからこそ、敵を欺くために手を変えた。偽り擬態し 演技と実績を紐付けて、理想形を現実に塗り変えるのだと、本気で取り組んだ。

ここまでは、多分、良かった。

問題は敵を信じてしまったこと。

これは戦争だった。分かっているつもりだったのに、分かっていなかった。

残り時間は五分。

私は横を見る。

無人のスタジオには対局席を取り囲むように多くのカメラが設置されている。

何故か音声が収録されない、その撮影の設定に初めて感謝した。

声が・・・・・・震えていることに、気付かれずに済むから。


彼に届くだろうか。

私の声なき声を聞いてくれるだろうか。

・・・・・・ごめんね。


私はゆっくり、カメラに向けて口を開く。

遺言を、遺すために。




この日、第十七回人類解放戦争は、人類側の敗北で幕を閉じた。

初めまして。m@kkyと申します。


コロナで仕事暇になったので、暇つぶしに小説書いてみました。

お目汚しですが、楽しんでいただければ幸いです。

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