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恋獄  作者: みや
3/4

中学生

卯山幸恵は、変わった少女だ。


いつも男子な輪の中で遊んでいる光景を目にするし、服装もボーイッシュ。

明るい性格で女子の輪の中にも自然に溶け込む。

たまに、男の子なんじゃないか。そう錯覚することもあるけど、背は少し小さくて顔立ちも丸顔で可愛らしいから、やっぱり見れば見る程、女の子なのだ。



たまたまあの日ドッチボールでちょっと話したくらいで、それからはいつもの日常。

私は彼女と違い、活発でもないし目立つ存在にはなりたくない。だから、同じクラスの同級生、ただそれだけだ。

そんなこんなで、あっという間に私達は中学生となった。








「ねぇね、幸ちゃんってさどう思う?」



突然友達にこんな事を言われた。



「どう思うって、どういうこと?」



彼女はグラウンドの向こうのテニスコートを見てこう答える。

卯月幸恵が、テニスラケットを振っている姿が見えた。



「かっこよくない?」



「うーん...」



確かに、テニス部らしくほんのり肌を黒くして、短髪に汗を煌めかせながらラケットを振る幸恵は、カッコいいなと思った。

中学生になって部活を選択しなければいけなくなり、

小学生の頃は1人女子で、少年野球のクラブチームに入っていた彼女だったが、転換してテニス部に入ったようだ。

元々運動が得意だったから、すぐに頭角を現した。

三年生に気負うことなく存在感を見せる。

純粋に、カッコいいと




今は私は何を思った。





別に、ただ憧れる女子として、そう

思っただけだ。きっとそう




「カッコいいっていうか、凄いなーとは思うかな。」



「うん、そうだよね。

幸ちゃんて次期部長候補なんだって、やっぱり凄いよねー。」



あははと笑い、友達は今日は用事があると言って申し訳なさそうに教室を出て行った。

何だ、用事があるのなら先に言ってくれればいいのに、

そう思いながら、教科書の入った重いリュックとヴァイオリンを手に取った。


今日は自主練だけど、コンクールも近いし

出ないわけにはいかない。




テニスコートとは真反対の音楽室へと足を運んだ。





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