7:使えなすぎたスキル
しばらく投稿していなかったので、今日は2話投稿です。
こっちが2話目です。
それからは、毎日、毎日ひどい目に合わされたいた。
土下座の強要なんてしょっちゅうだったし、
俺達のことを、ご主人様と呼べだとか、それはもう酷かった。
ご主人様って呼んだら
「うわキメェ」
とか言われた。
自分で言っといてなんだよそれ、思わず切れかけたが理性で押さえ込んだ。
それらから、やっと解放された、安息の時間に、ふと気になった。
「俺のスキルの、脇役の心得ってどんなスキルなんだ?」
少しでも強ければ、と思ったがそれは叶わなかった。それどころか、予想の遥かに酷かった。
スキル
脇役の心得
・レベル1より上昇不可
・全スキル成長速度低下
・全能力低下
・全属性耐性低下
はい?思わず表示された文字を凝視する。
えっ?ちょっと待って?いや、これゴミスキルなんてレベルじゃねぇぞ!なんだよレベル1から上昇不可って!強くなれねぇじゃねぇか!
あっ、そう言えばステータス表示のレベルの横に書いてあったような…
おいおい、マジかよ……
しかしまだスキル欄には説明が続いていた。
・脇役の心得で勇者が致命の一撃を受けそうになった場合、周囲10m以内にスキル保持者がいれば、勇者を庇う。このスキルが発動し、勇者の救助に向かう場合、ステータス:速度、に極大補正。 スキルレベル10で解放
おぉぉぉぉーーーーいぃぃ!!!
序盤の捨て駒じゃねぇか!完全に!!
おいおいおい、なんだよこのスキル!!
ふざけんなよ!俺に死ねって言ってるのか!?
そうだよな!完全にそうだよな!
「はぁ、ひとまず落ち着くか…」
何とか気持ちを落ち着かせて考える。
俺はまだ死にたくない。ならばどうするか。
このスキルは勇者が致命の一撃を受けそうにになった時のみ、発動する。
ならばどうするか?
答えは自ずと一つになってしまうだろう。
勇者が致命の一撃を受けないようにすればいい、と
しかし、いくら自分のためとはいえ、勇者が致命の一撃を受けるほどの相手に、勇者を守るなんてしたら、間違いなく死んでしまう。それでは本末転倒だろう。そもそも、戦闘に参加すること自体ができない。
ならば、癪だが勇者に強くなってもらうしかないだろう、誰からも致命の一撃など受けないほどに。
(しかし、どうやって強くなってもらおうか…
まぁまだ、魔物との実践訓練はまだ先だし気長に考えるか…)
何となく、フラグがたった気がしたが気のせいだろう。
そんなことを考えていると、突然城内に警報が鳴り響く。
『市街地に魔物が現れました!魔物は、ビーストタイガー、推定ランクはSランク。対処可能なランクに達している冒険者がただ今居ませんので、勇者の方と、そのお付きの方は、急いで対処に向かってください!』
ん?あいつらにお付きなんかいたっけ?
すると、突然ドアが叩き開けられる。
「おい、お前も来いだってよ!俺らが好意で連れていってやるんだ、感謝しろよ?何せ、俺らの戦いが間近で見れるんだからな!早く来いよ!」
マジですか、お付きの方って俺のことかよ!
そして、フラグがたった気がしたのは間違いではなかった。
(なんでこういう時に限って……ああ!!もうこうなりゃヤケクソだ!)
「よっしゃ!行ってやろうじゃねぇか!?」
半ばヤケクソになり、低ステータスのせいでフラフラする体を引きずって、馬車に乗り込んだ。