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脇役剣士の成り上がり英雄譚  作者: みにん
成り上がってく編 ~エルフの里~
11/22

11:何とか一命は取り留めたらしい

これから段々と、成り上がっていきます。

今回は長めです。

「…………て…ださい!」



「起……てください!」



「起きてください!」



誰かに呼びかけられる声が聞こえ、目を覚ます。


(う…ん?何やってんだ俺?確か魔族に切りつけられて…あぁ、俺それから海に沈んで…死んだのか、でもそしたら何で意識があるんだ?…まさか死後の世界とかか?異世界があるんだ、案外ありそうだな…)


取り敢えず、現状確認のため目を開け、体を動かそうとするが、あいつらに殴られた時のような激痛が走り、起き上がれなかった。これは参ったなと、考えていると、近くから声が上がる。


「大丈夫ですか!?やっと起きてくれましたか…よかった〜!」


と、顔をのぞきこんでくる。


なんというか、もうあの女王が廃れて見えるぐらいの美少女だった。


「おわぁっ!?」


(近いから、近いから!顔、顔!)


悲しいことに前の世界では、異性と付き合うどころか、ほとんど接したりもしなかったので、顔をのぞき込まれただけで、非常に心臓に悪い。しかも、途轍もない美少女である。


しかし、のぞきこんでくる顔を見ているうちにあることに気がつく


(耳が長い?人間じゃないな、エルフか?)


そう考えるが、即座に頭の中で否定する。俺だって城にいた二週間ほど何もしなかった訳では無いのだ。城から追い出されることを、考えて少しでもこの世界に詳しくなっておこうと、城にある図書室で本を読み漁っていたのだ。その中には当然この世界にいる種族の事も載っていた。


その本によると、エルフは魔法技術が高く長齢であるため、元から繁殖力が低く種族全体の数が少ないらしい。ここまでは、前の世界のエルフと同じだった。しかし、彼らはおよそ50年ほど前、その高い魔法技術を狙ってきた。とある人間の国に敗北、個々の力は強いものの、絶対数が少ないため、負けたのだとか。そのため、エルフは全滅、この世からいなくなったらしい。


つまり、この美少女がエルフであった場合、ここは本当にあの世ということになってしまうのである。


(流石に、そんなことは無いよな?)


と思ったが。一応確認しておく。


「ここはどこであなたは誰ですか?」


「ここは海底都市で、私はエルフの姫、フィナと申します。」


と、速攻で返事が返ってきた。

おそるおそる聞いてみる。


「つまり俺って、死んだって事ですか?」


「なぜ、そうなるのですか?」


「何故って…だってエルフって、戦争で全滅してしまったんじゃ…」


「それは、間違いです。ただ単に、人間がこの場所を見つけられていないだけです。私達は、生き延びて、国全体に、結界魔法をかけ、水圧や、人間達から守っているのです。その結界魔法の調整中にあなたが、沈んできたので助けた次第です。」


と、衝撃の発言が帰ってきた。これ、歴史の教科書変わっちゃうね、うん。


しかし、それにしても、それなら何故、人間の俺なんかを助けたんだろう。


思ったことを、そのまま聞いてみると、


「いくら、同胞が殺されたとはいえ、目の前で亡くなっていくのを、黙って見ているほど薄情ではありませんから……それに、あなたのステータスを見てしまいましたから…」


そうか、あのステータスを見たのか、まぁ隠すほどのものでもないんだけれど、まだ見られるのは、警戒してしまうな。


しかし助けてくれたのに変わりはないのだから「ありがとう」と言っておいた。


「どういたしまして」


と、笑いかけてきた彼女は、非常に可愛かった。


「さて、くらい話はここでやめにして、取り敢えず、お父様…国王様の所へと向かいましょうか!」


今更ながら、フィナが、エルフの姫だということを思い出し、返事が


「はっ、はい!お姫様?」


と、返事してしまったが、「フィナで良いですよ。」と言ってくれたので、そう呼ぶことにした。


そして、俺らは国王様の元へと向かって、歩き出した。







既に、お察しの方がいると思いますが、フィナはヒロインです。はい。

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