始まりの事件5
2145年3月20日 AM7時50分 -クラスに入室-
そう考え俺は教室のドアを開けた。
「いやあ、そんなことがあってさっと新しく誰か来たみたいだぜ。」
「そうみたいだねー。」
「まあ6組だし、楽しくやりたいね。」
「そうですね。まあ、打ち解けれればいいんですが・・・・。」
そんな会話をしている男子2人、女子2人がいる。男子のほうは、片方はアウトドアな印象で、かなりガタイがいい青年だ。顔はまあ、悪くはないほうであろう。もう一人はさわやかな印象の、気持ちのいい青年だ。魔力はかなりのものを秘めているはずなのに6組にいるということは力を使いきれてないのかもしれない。女子のほうは耶津葉に似ている印象を受ける人物だ。結構、アウトドアな女性なのか日焼けの跡が見えている。もう一人の女子は清楚なイメージの人物だ。礼儀なんかがしっかりしてそうだ。・・・とこんな感じか。こちらからも挨拶してみるとするか。
「どうも、琴無剛っていう名前だ。よろしく頼む。」
「お、こっちもよろしく頼むぜ。剛って呼べばいいか?」
「ああ、構わない。」
「よろしくな剛!そうそう、俺の名前は矢木誠二ってんだ。よろしくな!」
「こちらこそ、よろしく頼む。他の3人は?」
「おっと自己紹介がまだだったね。僕は蒼馬双ていう名前だよ。よろしくね。」
「ああ、よろしく頼む。」
・・・・記憶が確かなら蒼馬あおばは七家の一つ蒼松の派生した家系だったか。どうりで魔力が高いと思った。なぜ6組にいるのかはわからんが家系に関することを聞くのは七家以外の者はタブーだったな。妙なことを聞かないほうがいいか。
「私が泰葉由香。剛くんよろしくー。」
「こちらこそ頼む。それで最後の君が・・・」
「あ、私は梶谷愁奈というものです。よろしくお願いします。」
「えーと、誠二、双、由香、愁奈、か。呼び捨てでもいいか。」
「問題ないぜ。」
「すまんな。まあこれからよろしく頼む。」
「ああ、って思ったんだが剛、お前昨日見なかったんだが休んだのか?」
あ、すっかり忘れてたけどそいや昨日の集会やらなんやらに生徒としては出てなかったな。無理もない。まあこのくらいならいくらでも辻褄合わせが聞く。空もいることだしな。
「ちょっと風邪引いててな・・・今日からが一応登校可能な日なんだ。」
「ふーん、まあいくら魔法があるからといってさすがに風邪はどうしようもないし当然か。俺も気をつけなきゃいけねえな。」
「そうだね~。」
「そろそろホームルームが始まるし着席しようか。」
「了解。」
双に言われたので、ひとまず着席するか。・・・あいつ席もしっかり増やしてやがるな。俺を入れてもしっかり数が合うようになっている。まあ、頭脳明晰なあいつのことだ、この程度のこと思いつかないわけがないだろうがな。
と、そんなことを考えていると教室のドアが開いた。・・・・って、あいつは!
「初めまして。八神玲奈です。皆さんよろしくおねがいしますね。」
八神玲奈だとっ!そんなはずは・・・・よくよく考えたら昨日ここの高校にいたってことは先生か何かって考えるべきだったな。迂闊だった・・・・名前は変えれても顔は変えれねえから面倒なことになりそうだな。ましては、このクラスの担任だったなんて、考えもしなかったぜ・・・・
さてどうしようか、と考えていたが八神玲奈が喋り始めた。
「皆さんの担任を務めさせていただきます。6組といえど、才能がないわけでは決してないのです。まだあなた方は中間地点にいるにすぎないのです。終点に達したわけではありません。だから、これからの未来に希望をもって望みましょう。それではまず、簡単な自己紹介でもしてもらいますか。それでは蒼馬くんから順にお願いします。」
「はい、蒼馬双です。趣味は一応魔法研究です。よろしくお願いします。」
「次に・・・・」
という感じで、何事も無く自己紹介が続いている。そんなこんなで俺の番が回ってきた。
「・・・剛くん。」
一瞬沈黙したのはおそらく、気づいたからだろう。しかし、今下手に動けば厄介なことになるから俺も奴も動けん。
「はい。琴無剛です。趣味っていうか特技は魔法理論です。よろしくお願いします。」
「はい、それでは次・・・」
そこまで危惧する必要もなかったか。まあ、さすがにここまで人がいるしな。
そんなこんなで自己紹介が終わった。さて、こっからどうすっかな。と考えているうちに、
「ひとまず、10分間休憩があるのでまたその後に何をするか決めますので休憩しておいてください。」
・・・・ち。やるしかねえな、休憩時間をおそらく攻撃の場にするはずだ。場所を移してな。まあいい。ばれない程度にやっておけばいいかと思ったら、八神玲奈の方から近づいてきた。そして、ボソッと
「・・・・廊下に来なさい。安心して。下手な真似さえしなければ殺しはしないわ。」
「・・・・・・」
廊下に来い、か。虎穴に入らずんば虎児を得ず、だ。行ってみるしかねえ。
俺は彼女に着いて行った…