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人は見かけによらない的、な。

神官長、登場。

 騎士様に促され、魔法陣の中央に立ちました。


 するとその途端、パアッという光が魔法陣から溢れだしました。


 あまりの眩しさに思わず目を閉じ、次に恐る恐る目を開けた時には視界に映る景色が変わっていました。


 先ほどまでいたのは隣町の神殿の一室でした。


 そこだってわたしの家などよりは遥かに綺麗な場所でしたが、今いるここは、それとは比べものになりません。


 青みがかった白い石造りの室内は、壁に施されている装飾も華麗で、こんな綺麗なものは生れてこのかた見たことはありませんでした。


 ほうっと見惚れていると、すっと誰かがわたしに近づいてきました。


 目を向けると、そこには綺麗な長い金髪の、男の人が立っていました。


 かすかに口元に受かべた笑みは、とても穏やかで優しいものです。


 身につけているは白い神官服のようでしたが、これもまた隣町の神官の着ているものとは比較のしようがないほど良いもののようです。


「あなたが、マリアベルですか?」


 そう問いかけた声も、姿に違わず穏やかで優しそうな声音をしています。


「は、はい」


 頷いたわたしに、その人は手を差し伸べました。


「さあ、こちらへ。あなたがその場所にいると、騎士達の戻る道が塞がれてしまいます」


「あ、も、申し訳ございません……!」

 

 慌ててわたしがその場を退くと、魔法陣からは光とともに騎士様達の姿が現れました。


「みなさん、ご苦労様でした」


 その男の人に労いの言葉をかけられた騎士様達は一礼すると、扉から外へと出て行かれました。


「あ、あの……?」


「ああ、心配はありません。あの者達はあなたを迎えに行くという任務を終えたので、自分の持ち場へ戻るのですよ」


「そうですか……」


「では、わたしたちも参りましょう」


「え、えと。あの、どこへ? その、あとあなたは……」


 わたしが問いかけると、その男の人は目を丸くしました。


「……ああ、これはすみません。自己紹介もまだでしたね。私はクラーク・シャルマン。一応神官長を務めさせてもらっております」


 その返答に、今度はわたしが目を丸くする番でした。


 神官長とはつまりは神官達の中で一番偉い人ということになります。


 その神官長が、まだ精々二十代後半にしか見えない、こんなに若い方だったなんて。


 どちらかと言うと、見習い神官と言われた方がしっくりくるような感じの方なのに。


 だけれども、この方がわたしを呼んだという神官長様。


「どうぞ、よろしくお願いしますね」


 そう言って、神官長クラーク・シャルマン様はわたしににっこりと微笑まれたのでした。


次回もお願い致します。

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