第6話 幽霞の人格とその真実
さて、前回俺はナビさんの尋問で、俺は幽霞さんを安定させるために、彼女を惚れさせないとダメらしい
『答、安定させるため、では無く、ただご主人様がそうしたいだけでしょう』
あーもう!それでいいからやめてくれ
『それとも、ご主人様は仕方がなく、そうせざるを得ないだけで、霊阿様を惚れさせるのですか?』
なんかやけに饒舌になったな
『解、レベルが上がり、ご主人様の感情と性格の解析が完了したからです』
ナニソレコワイ
『さあ、ふざけてないで現実に戻ってください』
はいはい
「で、なんでそんな結論になった」
まずは情報収集だな
情報がない限り落とすも何もない
「ああ、この作戦を実行しようとしている理由は、私が持つ人格の全てが経験していない事で、且つ記憶に残ることをすれば、「本体の私」の記憶を確立出来るのでは無いか、という予測からきている
その結論を出してから私達別人格は、本体以外の人格間で筆談によるやり取りをしたんだ
その結果分かったのはどの人格も恋愛の経験がないということだ
そうして、出された結論が誰か他人に恋愛をさせてやるということだったんだ」
どうしてそうなった、と突っ込みをしたい所だがまあ、仕方がないことだったんだろう
「まあ、実際は全員恋愛をする余裕なんて物が無い人生だった、と言う方が正しいんだがな」
そう自嘲気味に笑う
「えーと、取り敢えず別の人格の説明を頼む」
そういえば、剣の幽霞以外の説明がまだだった事を思い出す
さっきの問いで向こうも気付いたのか、少し申し訳なさそうな顔で
「ああ、そういえば私以外の紹介がまだだったな…
本体の霊阿 幽霞は、別人格に感情を奪われて、記憶すらも混ざり合い自身の心を失いかけている状態にある
少女の人格は、喜びの感情と共に分離してしまっている、ギフトを持って生まれたが故に、同じ村の人々には迫害され、挙句に病に伏して命の灯火が消えかかっていたところで、幽霞と出会う
私は騎士の人格で、怒りの感情と共に分離している、魔物の軍勢に立ち向かい最後に一人生き残った事を悔いて心を病んでいたところで、幽霞と出会った
魔術師の人格は、哀しみの感情と共に分離してしまった、人々を救うため、大群を滅ぼす為の魔術を作ったものの、それを恐れた国に命を狙われていたところで幽霞と出会った
商人の人格は、楽しみの感情と共に分離してしまった、商売の合間に孤児院を経営しながら世界を回っていたが、そのうちに世界の闇に触れ、生き甲斐をなくしていたところで幽霞と出会う
以上の五つの人格だ」
うわぁ…なんかみんなすごい人生送ったやつばっかりじゃん
そりゃ混濁もするな
「ついでに、どういう経緯で出会ったかはわかるか?」
コピー前の人生が壮絶すぎたので、一応聞いてみる
「少女は偶然出会い、状況を知った後共感できる友達になってあげようと思いコピーしたようだ
騎士の時は、少しでもその闇を理解しようと思ってコピーしてくれた
魔術師は、殲滅魔法の研究の後継者になろうと思って
商人は、生き甲斐をなくして、技術だけでも幽霞に伝えようとしてコピーしてもらったらしい」
とまあ、幽霞は殺すためだとか、戦うためにスキルを使ったのではなくて
他人の意思を継ぐためとか、他人を知りたくてとか、他人のためにスキルを使っていたみたいだ
さすが俺が惚r…ゲフンゲフン
あとは性格とか、そう言う細かいことを聞いて、作戦会議は終わりを告げた
思いっきり遅れましたが投稿です