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第5話 不思議な少女と彼女の心

皆様おはようございます、こんにちは、こんばんは

俺だ迷子の勇者こと屋護(ヤモリ) (ハカリ)

なんか今訳が分からないことが起こってるから

情報の整理から始めさせてくれ

俺はこの森から出るために、この森を探索していた

そして日も暮れ始めたから魔法を使って帰ってきたところまではいつも通りだった

そう、日常だったのはそこまでだ

まず、拠点に女の子が侵入していた

うん、ここから訳が分からない人も多いだろう

ここは魔の森とかいう魔王直属の領地だろ!とか、そもそもここって平均レベル150じゃなかったっけ?とかツッコミたいのはわかる、だが俺の話を聞いて欲しい

俺にもさっぱりだ

『解、彼女のステータスを閲覧しますか?』

うおおお!ナビィさんナイス!

『解、ステータスを表示します

名前:霊阿(レイアン) 幽霞(カスカ)

レベル:20

称号(一部):心失いし者

異世界の迷子

固有スキル:「精神模倣(アストラルコピー)

祝福の呪い(カーズギフト)」封印中

孤独の剣(ロンリネスソード)」封印中

殺戮魔術(ジェノサイドマジック)」封印中

凶悪な幸運(イービルラック)」封印中

汎用スキル:「人格解離」(使用中)

「火魔法」封印中

「水魔法」封印中

「土魔法」封印中

「風魔法」封印中

「治癒魔法」封印中


能力

HP:120(特定状況下で変化)

MP:150(特定状況下で変化)

筋力:20(特定状況下で変化)

魔力:0(特定状況下で変化)

防御:15(特定状況下で変化)

魔防:50(特定状況下で変化)

器用:50(特定状況下で変化)

敏捷:50(特定状況下で変化)

以上です』

ダメだ…余計混乱してきた

まず、敏捷とか負けてるし…

じゃなくて、やけに封印中のスキルが目立つ

そして使用中とでていた「人格解離」だ

もしかしたら彼女はこのスキルで多重人格となって

封印というのは、別の人格にスキルを持って行かれているのでは無いか、という推測だ

そういえば、彼女は固有スキルを封印されてるとはいえ

多数所持していた、これは可能なんだろうか…

『解、通常では不可能ですが、稀にいるようです

それと一応言っておきますが、ご主人も固有スキルを複数所持していますよ?』

そういえばそうだったな、忘れていた…

『追、なお、霊阿様の場合は、彼女の封印されていない固有スキル「精神模倣」が原因だと考えられます』

解析、お願いできるか?

『解、すでに完了しております』

さっすがナビさん、わかってるぅ!

『表示します』

思いっきりスルーされた…

『「精神模倣(アストラルコピー)

対象の精神に干渉し、魂の欠片である固有スキルを身につけることができる

ただし魂の欠片を身につけるということは、対象の精神を模倣する事となり、スキルによって強制的に元の人格に統合される

その際、上手く双方の人格を制御できないと

人格に軋轢が生じて、人格が分離し感情を失う上に別の人格が生まれてしまう

副次効果として、記憶コピーする』

またまた、物凄いスキルだなぁ

つまり霊阿さんは人格の制御に失敗した上にステータスやら感情やらを持ってかれてるって事か

で、何回も繰り返した理由は分からないが、何か理由があるのだろう

まあいい、起こすのも忍びないし、飯の用意でもしてましょうかねぇ

まあ、いつも通りのアプの実とテンペストウルフの肉、飲み物はブルースライムゼリーなんだが、いつ起きるかわからないから、一応二人分用意しておこうかねぇ

そんな感じで、前に住んでいた人が使っていたであろう表面が滑らかな石板で肉を焼いて、アプの木の葉(ナビィさん曰く殺菌防虫効果があるらしい)に乗せてテーブルに運ぶ

その時ちょうど霊阿が起きたようで、辺りを見回している

「よう、調子はどうだ?」

声をかけてみると

「私は…私は…私は一体誰なんだろう…

ただの病に伏せている幼子でもない

国を救った英雄でもない

魔術の探求に命を賭した魔術士でも

世界を渡った商人でもない

私は一体誰なんだ!!」

そう叫び、絶叫した後に、意識を失ってしまった

『解、記憶の合成で過去が混同してしまっているのでしょう』

つくづく凶悪なスキルだな…

そう思いながらも、夕食が冷めそうだったのでさっさと食べることにする

「ふう、ごちそうさまっと」

気を失ったままの幽霞を見ながら、ゆっくりと夕食を食べ終わる

「う…ぐぐ…」

そしてしばらくした頃に、また目を覚ましたのか

「うあっ!ここは一体どこだ!?」

と、何かさっきと全く違う口調で驚いたように言う

しかもよく見れば、目つきとか雰囲気とかが全然違う

「ああ、ここは魔王領の魔の森とかいう場所だ」

と一応答えてみると

「魔王領の魔の森だと!?」

なんか相当ヤバイ場所っぽいね…

「魔の森といえば、レベル100越えの魔獣どもがうようよいるところだぞ!貴様ここで何をするつもりだ!」

なんか、盛大に勘違いされてますね

「いやいや、どちらかといえばお前自身がここにきたんだぞ?」

そう答えると

「私自身が?

うーむ…すまない、その時の私の様子などを知っていたら教えてくれないか?」

状況を理解したのか、少し冷静になって神妙な顔で聞き返してきた

「あーそれはだな、俺が出掛けてる間にいつの間にか入ってきていて、でそこで寝ていたんだ」

正直に言う

「ああ、大体理解した、多分それは「楽」の私の仕業だろう

そのことに関しては詫びさせて頂く」

「楽」とは分離した人格のことだろうか…

まあ、彼女の話が続いているので聞く

「私は霊阿 幽霞の別人格で「喜怒哀楽」の感情の内「怒」を奪ってしまった「孤独の剣」だ」

そう言われてもなぁ…

「いきなり言われたところで信じられないだろうが、できれば信じて欲しいと思う

それと、私達別人格にそれぞれ名前が付いているわけではないから、一応私のことは剣の幽霞とでも呼んで置いてくれ」

と、ちょっとした現在の状況と自己紹介をしてきた

「俺は屋護 謨だ、呼び方に関しては特に無いから好きに呼んでくれればいい、今後ともよろしく」

そうやってこちらもちょっとした自己紹介を終え

冷めてしまいそうだったので軽く飯を終わらせた後に重要な話を始める

「それで、いきなり本題なんだが剣の幽霞は、自分の別人格についてどれだけ把握できているんだ?」

できるだけ言い逃れを許さないような口調で聞く

「私は一応、全ての人格を把握している

まず中核をなす霊阿 幽霞自身

彼女は今、記憶が混濁していて、そもそも人格を制御する為の余力が残っていない

できれば私の方でなんとかしたいのだが、残念ながら私達別人格には、本体である幽霞に干渉することができないんだ

だから、彼女の修復は、貴方にまかせれればと思っている」

と言ってきた

どうやら剣の幽霞自身は、人格の分裂を望んでいなかったようなのだが、何せ本体には制御し得る余力が無く、結果的に人格が分離してしまったそうだ

「まあ、力になれるかはわからないが、できるだけの努力しようと思う」

俺はそう答えた

決して彼女の寝顔とか、あたりを見回す姿が可愛いと思ったわけでも、そんな娘とこれを機に仲良くなりたいとかそんな事では断じてない…ということにしておいてくれ

「だが、彼女の記憶はかなり混濁しているようだったぞ?

さっきは直ぐに意識を失ったし」

あれでは対話も何もできずに、修復なんてできないように思える

「それに関しては私が秘策を考えてある」

と、胸を張って言っているのだが…

何だろう、嫌な予感しかしない…

「そ、その秘策とは?」

恐る恐る聞いてみると

「簡単なことだ、貴方には本体の幽霞を落として欲しい」

ナ、ナンダッテー

落とす?なにそれ、バンジーさせればいいの?

『解、彼女は恋に落とせと言っているのでしょう』

言われなくてもわかってるよ!

頼むからもうちょっと現実から目を逸らさせてよ!

『告、目を逸らしてはいけない物もあるのですよ

そしてご主人様も、彼女を好いているじゃありませんか』

はい?

いやいやあり得ないでしょ!

いいい一体何を根拠に

『解、そもそも私はご主人様のスキルです、その上で超級鑑定により、ご主人様以上にご主人様を理解していると豪語しております』

ああ、確かにそうでしたね

だからと言って感情まではわからない気がしますが

『解、そろそろ認めてはどうですか?

さすがにもう言い訳は苦しくて惨めですよ?』

『話、確か、「決して彼女の寝顔とか、あたりを見回す姿が可愛いと思ったわけでも、そんな娘とこれを機に仲良くなりたいとかそんな事では断じてない…ということにしておいてくれ」でしたっけ?』

うがぁぁぁぁぁぁ!恥ずかし!

確かにそうは言ったけどさ!

だからって落とせと言われても恋愛経験皆無ですし、他人を好きになったことなんてないですし、そもそも方法がわからないし、しかも俺みたいなのができるわけないし…

『解、そんな事ありませんよ?』

できたなら俺はやってるよ!

んなの、あんな可愛い娘を狙わない奴はいないだろ!?

『解、素直でよろしい』

ってうわぁぁぁぁぁぁ!

墓穴掘ったぁぁぁぁぁぁ!

『解、ご主人様の誘導なんて、児戯が如し、ですね』

てかナビィさん!?

なんか態度変わってません?

『解、そんなことないですよ』

いやいや!今までYesかNoかで答えてましたよね!?

とまあ、こんな感じのくだらない会話を脳内で繰り広げながらも、幽霞を救う為に奮闘する日々が始まったのであった

やっとの事でヒロイン登場

長い戦いだった…

これからは魔の森の攻略編から霊阿 幽霞攻略編に変わります

ついでに本編、今代勇者編共に定期更新できるように頑張りますので、よろしくお願いします

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