ゲームの世界へ⑤
「それではまずは自分のステータスを確認しましょう」
街の外れまで来たところでレイラさんにそう言われるがどうやって確認したらいいのかわからない。
「あ、すみません。右手にはめているブレスレットを確認してください」
ブレスレット?
疑問に思いながらも、今まで気づかなかったブレスレットの存在にその時気づいた。
おかしい、いつもはブレスレットなんてものはつけていないはずだから違和感があるはずなのになんでボクは今まで気づかなかったんだろう?
そう考えたところで今日のこのゲームで起こっていた出来事を思い返してみた。
うん……
気づかなくて当然だね。
なんだか複雑な気分になりながらも、右手につけていたブレスレットに触れるとその変化は起こった。
目の前の虚空にゲームでいうところのメニュー画面が開かれる。
これってもしかして投影型端末?
投影型端末というのは、またの名を立体型端末と言い、今のタッチ型端末の次の世代ものとして製作中のもので、最近に試作型が完成したって報告があったけどこのゲームに実装されていたなんて思わなかった。
確かにゲームの世界で試作して使うのはありだ。
もし不都合が起きた場合でもその時その時で修正が可能だから、実験で使える。
すごいなー、最新技術がこんなところで見られるなんて……
ボクは投影されていた、メニュー画面のステータスを右手で押す。
やっぱり思った通りだ。
この投影型端末の使い方としてはまず、投影装置の起動として右手にあるブレスレットを起動させる。
それを起動すると右手から立体投影パネルが起動するんだ。
それも普通なら右手を動かす度にその立体投影パネルが移動するものだけどそれがないということは、この投影型パネルがボクの目線の先に投影されるようになっているからだろう。
これもたぶん、顔を立体的に捉えることによって投影する位置というのを決定しているものだと思う。
そして最後に投影された画面を右手のブレスレットが一定の距離まで届くとそれに反応するというのがこの投影型端末のシステムだ。
というのをどことなく思い出していたボクは……
そのブレスレットに頬ずりしました。
だって技術のすごい産物なんだよ。
引かれようとも、こういうものにはちゃんと反応しておかないと引きこって新しい情報を求めるものとしては大事なことなんだよ。
「あの、いいですか?」
だけど頬ずりしていたボクはその声で正気に戻った。
そうだった……
ボクは今、一人じゃなかったんだー。
そう思い出したボクはその場にうずくまった。




