この街の謎を解け⑮
そう突き斬りとは簡単に言ってしまえば二段構えの突きだ。
最初に正面から突きを放つことによって相手を構えさせて後ろに避けさせて、そして持っていた剣を下に捨てて蹴って突くというもので、これを破るには前に出て攻撃をしてくればいいのだけれど、初見ではそれはなかなかできないものだなと思った。
完璧に再現できたフレイヤの技に自分の中で感慨に思いつつ、残っていた二人に剣先を向けた。
「それで、あなたたちはやらないの?」
そう言うとあきらかに怯えたように後ずさった。
むぅ、戦うのは楽しいけどこういう相手を一方的にいたぶるのは好きじゃない。
え?
さっきの敵もいたぶっていたって?
そんなことないよ。
ボクは敵意を向けてくる相手だからああなっただけだよ。
でもこの二人どうしようか?
そう思っていると後ろから抱きしめられた。
「え?」
思わず新手か?
と身構えたのだけれど後ろからそれはもう大きな双丘が形を崩しながら押し付けられているのでわかってしまった。
そして次に横にピリピリとした雰囲気を醸し出しながら立っているレイラさんを見てああと思う。
助けに来てくれたんだ。
それはなんだか嬉しくてそしてむずがゆい感じだ。
そうして一人普通に近寄ってきたエリンが剣を抜くと前で怯えている二人に話しかけた。
「この街のことを教えてくれないか?」
「ごめんなさい。
俺はシキって言います。
見ての通りあいつに色々手伝わさせられていました」
一人の男がそう答えた瞬間にボクは動いた。
「ストン」
という音が響いてその男の顔のすぐ横に剣が刺さる。
「あ、ごめんなさい。
手が滑ってしまって……
それで本当のことを教えてくれませんか?」
いい加減言い訳するなよという意味も込めてボクは満面の作り笑顔でそう言うとその男は横に刺さった剣とボクの顔を見るとすぐに直立不動となって地面に膝をついた。
「すみませんでした。」
そうして男は土下座をしながら語りだした。
「実は俺はちょっと拳銃の構造とかを知っていまして、その作り方なんかも知ってたんですけど……
そしたらさっきの男がよかったら俺のところで拳銃を作ってくれないかと言われまして。
なので俺は以前から作りたかったのでいいと言ってしまいまして、このファンタジーワールドで作れる拳銃を作ったというわけです。」
「うん、それはわかったからもう少し頭を下げようか?」
ボクは話しを聞きながらふんわりと足を踏みつけた。
「はい、すみません。」
とりあえずこいつはこの街の件についてはあまり関与していないようだったので次の男にうつることにする。
「それでそっちは?」
「はい!」
そして横にいた男もすぐに土下座をすると語り始めた。
「僕はですね。
この街を乗っ取るというところからやつに加担してました。
それでこの街を乗っ取る際に色々制度を決めて今みたいな状態になりました。」
「簡潔すぎる。
その制度の内容を言ってみて」
「はい……」
そうして語り終えた時にはボクはそいつの頭を踏んでいた。
いやね、だってね……
その制度の根本的なことを言ってしまうと独裁だもの。
独裁して働かせてそして疲弊していく街はもう戻ることはないのに……
こういう冒険者も世界を動かせるような世界だからこそ、冒険者が街の繁栄とかに順守したほうが楽しいと思うのに、なんでこんなことを考えるバカがいるんだろうか?
そう思いながらボクはその男の頭をグリグリと踏み続けた。




