ゲームの世界へ③
ということでその給仕さん、名前はレイラ・クネッティーと呼ばれるボクよりも二つ年上の女性は現在、ボクの椅子になるという行為にて興奮をしながらもゲームのレクチャーをするという思考と感情を持っていないNPCとは思えない動きをしていた。
それもそのはず、このクリエイティブオンラインではNPCですらリアルに近いものをということで人工知能を全ての人に埋め込んでいるのだという。
ただ、全てが自由なNPCとほとんどが自由なNPCとがいて、ゲームレクチャーをしてくれるこのレイラさんはほとんどが自由だけれども、今回のようなゲームレクチャーを行うことになればそれをシステムとしては行うというものだ。
だからレイラさんがゲームのレクチャーをするというのはまだいいとしても、なんでゲームのレクチャーするレイラさんがドMなのかというのが問題点である。
ちなみに先程からゲームの話しをしているはずなのだけど、色っぽい声(喘ぎ声)が聞こえるだけなので何を言っているのかわからない。
というか、このゲームもそうだけどもうちょっと点検くらいしようよ。
こんなドMがゲームレクチャーするっておかしいでしょ、運営さん。
といってもこのままでは一向にこのゲームを進められる気がしない。
ボクは椅子 (レイラさん)から立ち上がると近くのベッドに腰掛けた。
「レイラさん、そろそろまともに仕事してください」
そしてそうお願いする。
「わかりました」
するとレイラさんはわかってくれたようで渋々なのは多少気になるところだけど説明を始めてくれる。
「まずはこのゲームの世界の説明からします。
このゲームはクリエイティブオンライン。
その中でもファンタジーワールドと呼ばれる世界です」
「?
早速疑問あるけど……」
「そこはわかっています。
説明続ければわかると思います。
このクリエイティブオンラインではいくつものゲーム世界があると思ってください。」
「うん」
「その中で今はこのファンタジーワールドのみが解放されている状態だと考えてもらえればと思います。」
「ということは、例えばこのファンタジーワールドを攻略したならば次のゲーム世界に転生するっていうこと?」
「いえ、転生ではファンタジーワールドに戻ってくることができなくなりますので、召喚されるようになると考えてもらえればと思います。」
「なるほど……」
「というのがまずこのゲームのあり方です」
「へー」
頭の中で整理しておく。
まずこのクリエイティブオンラインにおいて、今ボクがいるのがファンタジーワールドという世界で、この世界で特定の昇格条件というか攻略条件を満たすことによって次のワールドへの扉が開かれるということだ。
すなわち、今現在のこのファンタジーワールドはまだその条件を誰も満たしていない状態にあると思われる。
その為に他のプレイヤーもこのファンタジーワールドにて奮闘中ということだ。
「それで次の説明は?」
「うーん、次は少し場所を変えましょうかマヤ様」
「え、うん」
戸惑うボクに対して、今はちゃんとしているレイラさんはこちらへどうぞと、ある部屋に通してくれた。