表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雲は遠くて  作者: いっぺい
.
54/292

16章 地上200mの誕生パーティー (3)

16章 地上200mの誕生パーティー (3)


矢野拓海やのたくみが、スピーチ(話)をつづけた。


「えーと、ことし、20はたちかたは、

男性が、谷村将也たにむらしょうやさん、

渡辺太一わたなべたいちさん、野口翼のぐちつばささん、

石橋優いしばしゆうさん、の4人の方です。

えーと、

女性は、菊山香織きくやまかおりさん、

水島麻衣みずしままいさん、山下尚美やましたなおみさん、

和田彩加わださやかさん、桜井さくらいあかねさん、

森田麻由美もりたまゆみさん、

杉田由紀すぎたゆきさん、の6人の方です。

みなさん、20はたちのお誕生日おめでとうございます」


みんなから、れんばかりの拍手がわきおこる。


「それでは、森川純さんに、乾杯かんぱい音頭おんどを、

頂戴ちょうだいしたいと思います。

みなさんは、

すわったままで、かまいません。

手元おてもとのグラスに、

飲物のみものをご用意よういください。

それでは、純さん、よろしくお願いします!」


「それでは、今年ことし、20はたちの誕生日の、

みなさまと、

ここに、お集まりの、すべてのみなさまの、

音楽活動のご発展や、

永久とわのご幸福こうふくを、祈念きねんいたしまして、

乾杯かんぱいいたしたいとぞんじます。

それでは、みなさま、ご唱和しょうわねがいます!

カンパーイ!」


純が、元気よく、乾杯かんぱい音頭おんどをとった。


「カンパーイ!」「カンパーイ!」


フロアには、みんなの明るい声ががる。


はなやかやかな、若い男女が、あふれる、パーティーは、始まった。


「みなさーん。このイタリアン・レストラン・ボーノ(Buono)の、

総料理長さまから、お話があるそうです。

総料理長さまは、南イタリアで、10年間の修行しゅぎょうを、

んでこられた、

本格的な職人さんであり、超一流の料理人さんであるんです。

どうぞ、総料理長さま」


と矢野拓海が笑顔で、総料理長を紹介した。


「わたくしが、総料理長を、おおせつかっている、

春山俊はるやましゅんです。

きょうは、みなさまの、ご来店を、心より、

感謝いたしております。

わたくしどもの、まごころをこめて、作っております、

ナポリ・ピッツァや、

素材そざいに、こだわった料理を、

ごゆっくり、お楽しみいただきたいと存じます。

特別・お誕生日・記念の料理と

デザート盛合せなども、

ご用意させていただいております。

以上、簡単な、ご挨拶ではありますが、

きょうは、みなさま、ごゆっくりと、お楽しみください!」


深々と、一礼する、総料理長に、拍手はが、りやまなかった。


パーティーは、地上200mの高層ビルの、

開放感かいほうかんあふれる、大パノラマの空間ということもあって、

ムードも、満点で、

ナポリ・ピッツァも、最高においしく、大いに、盛り上がった。


そして、日も暮れる、7時を過ぎた。


「純ちゃんにも、いよいよ、恋の季節がやってきたのかな?」


そういって、森川純を、ちょっと、からかうのは、生ビールで、

気分もよく、酔っている、川口信也だった。


純のいるテーブルまわりには、男ばかり、いつもの、酒飲み仲間の、

クラッシュ・ビートのメンバーが、自然と集まっている。


「恋の季節か!?・・・かもしれないなあ!?

おれって、どこへみに行っても、女の子のほうから、

近寄ちかよってくるじゃん。あっはっは」


「のろけるな、純」と、信也が純の頭を、拳骨げんこつつついた。


クラッシュビートの全員が、わらった。


「確かに、純はいいよな。モリカワの次男だっていうだけで、

そりゃあ、女の子のほうで、ほっとかないよな」

と、ベース担当の高田翔太たかだしょうた


「しかし、おれに近づいてくる、女の子って、おれよりも、

モリカワの次男っていうとこになんだよなぁ」


「あっはっは。わかっているじゃん!純ちゃん」と信也はわらった。


「まあ、わらわないで、おれの話をきいてくれ、みんな。

けどね、菊山香織ちゃんとは、何か違うんだよ。

こう、なにか、胸というか、ハートにくるものがあるんだ」


「純ちゃん、ごちそうさま。おふたりの、幸せを祈っていますよ!」

と、リード・ギターの岡村明が、ほほえんだ。


「しかし、まあ、男女関係、恋愛は、おくが深いというか、

人間の永遠のテーマ(課題)だよね。

男と女の、いろんないとなみがあるから、

子孫も繁栄するんだし、新しい芸術も、生まれるんだろうから」

と、酔っている、信也。


「おお、しん(信)ちゃん、きょうから、マンガ評論家から、

未来人類学者に、転向したのかな?!」と、酔っている、純。


≪つづく≫ 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ