表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雲は遠くて  作者: いっぺい
.
227/292

128章  I LIKE ROLLING STONES (わたしは転がる石が好き)

128章  I LIKE ROLLING STONES (わたしはころがる石が好き)


 7月15日の日曜日。真夏のような、晴れわたる上空で、気温も34度ほどだ。


 午後1時を過ぎたころ。

川口信也は、下北沢駅南口から歩いて3分、

世界最高レベルの、レコーディング・スタジオ・レオのミーティング・ロビーのドアを開けた。


 信也の彼女の大沢詩織たちのロックバンド、グレイス・ガールズが、

3枚目となるサード・アルバムのレコーディングをしているところだ。


 グレイス・ガールズは、ファンにも恵まれて、人気もあった。

しかし、メンバー全員、他に主となる仕事があるという、

音楽活動であるので、アルバム作りのペースも、ゆっくりとしたペースだ。


 2013年10月13日に、デヴュー・アルバム、 『Runaway girl(逃亡する少女)』

セカンド・アルバムは、2015年5月の『恋のシチュエーション(Situation of love)』

そして、サード・アルバムは、 『 I like rolling stones (わたしは転がる石が好き)』だ。


「しんちゃーん、こんにちは!」


 そう言いながら、テーブルでくつろいでいたメンバーの、

清原美樹や大沢詩織、菊山香織、平沢奈美、水島麻衣の5人は、

みんな笑顔で立ち上がって、信也をむかえた。


「みなさん、こんにちは。レコーディングも順調に、最後の1曲の、

『 I like rolling stones 』となったと聞いて、

おれも聴きに来ましたよ。みなさんのレコーディングの現場に立ち会えて、

とても光栄に思っています」


「今回、わたしたちの、サードアルバムが完成できますのも、

しんちゃんたちのご協力があったからだと思います。

なんといっても、アルバムのタイトルにもさせていただいた、

『 I like rolling stones 』は、しんちゃんがつくってくださったのですから!

ありがとうございます!しんちゃん!」


 清原美樹は、笑顔でそう言って、頭をげた。


 ほかのメンバーのみんなも、「ありがとうございます!しんちゃん!」

と満面の笑顔で、そう言って、頭を下げた。


・・・美樹ちゃんやほかのみんなもだけど、このバンドって、

どうしてこうも、美しい顔かたちとスタイルの女性ばかりがそろったんだろうか?

グレイスっていう言葉が意味している、

上品とか、優美とか、神の恵みとかが、ぴったりくる女性たちだよな。

ビジネス的には、もっともっと売り出せば、いくらでも稼げるんだろうけど、

それはしないという、経営方針の、

われらの、モリカワとモリカワミュージックか、それでいいんだろうけど・・・


 午後3時を過ぎたころ、サード・アルバムのタイトル曲の、

『 I like rolling stones (わたしは転がる石が好き)』の、

レコーディングは始まる。


 イントロは、ギターーから始まる。信也がギターで作った曲だ。

この曲への思いを、リードギター担当の水島麻衣に、

冗談交じりに、ちょっとだけアドバイスした、信也だ。


 もちろん、信也は、この歌を、ボブ・ディランの最大のヒットシングルの、

『Like a Rolling Stone(転がる石のように)』を、意識していていた。


 それだけ、いまの時代と、真正面から向き合うような思いで作った、ロックバラードだった。


 信也は、レコーディングのための司令室の、コントロール・ルームで、

グレイスガールズの演奏を見守った。


 ヴォーカルの詩織は、リズムギターもやりながら、

この歌を、しっかりと自分の歌にしていた。


「こんな感じかな」とか言って、これまでに3回、

詩織の前で、ギターの弾き語りで歌った信也だ。


 演奏は、優秀なレコーディング・エンジニアや、

5人の彼女たちの、最良のコンディションで、

最高にすばらしく、かっこいい、ロックナンバーに仕上がった。


 演奏を終了した直後は、熱気と歓声に、スタジオは包まれた。


---


I LIKE ROLLING STONES

(わたしは転がる石が好き)


作詞&作曲 川口信也


楽しかった デートの 帰り道 

ふと 足もとの 小石を ころがす わたし

なぜって? 特別な 意味なんて なにもない


わたし 子どものころから 石ころが好きだった

晴れた日 河原に 転がる たくさんの 石ころたち

石ころって 自由で 気ままで 平穏で 楽しそう


だから わたしは 転がる 石が好き

So I like rolling stones


石ころや 自然の世界は 教えてくれる 

人が作る 観念や思想に  絶対なものなど いって

そんなものに しばられないで 自由に生きようって


つらいこと 苦しいことが あっても

そんな 悩みは 人の心が 作り出したもの

心のまぼろし 心のとらわれ すべては くうだから


だから わたしは 転がる 石が好き

So I like rolling stones


いろいろな 言葉や 論理や 思想って

ひとの 幸せのための ツール(道具)の はず なのに

ひとの 不幸や 戦争を するために 使われている


あなたと わたしが わす 愛の言葉 愛のすべても

その愛に とらわれたとき 苦しみのもとにも きっと なる

いつも この愛や 人生が 神秘で あることを 大切に しましょう


だから わたしは 転がる 石が好き

So I like rolling stones


わたしたちの からだが 自然から できているように

わたしたちの たましいは 宇宙から できているのね 

なにものにも とらわれない 心は 幸せの 最高の 境地


みんなで 果てしない 夢や 希望を 追いかけよう!

美しく咲く花 やさしく吹く風 すべての自然の恵みは

いつも やさしく そんなふうなこと 語りかけている


だから わたしは 転がる 石が好き

So I like rolling stones


ーーー

☆参考・文献・資料☆


1.寂聴訳 絵解き般若心経  瀬戸内寂聴  朝日出版社

2.『般若心経』 2013年1月 版 (100分 de 名著)  佐々木閑(ささきしずか)


≪つづく≫ --- 128章 おわり ---



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ