第二十章、思い出6
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
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奪わないで 作詞 川坂香菜
ある日、私は過ちを犯した
私のわがままで、あなたを奪われる
神は私からあなたを取り上げた、
泣きじゃくる私に無常な宣告
幸せを取り上げられてしまった私は
成すすべも無くただ、うろたえるだけだった
無くして初めて自分の罪を見つめる私
奪わないで、浚わないで、連れて行かないで
もうこれ以上罪は重ねませんと祈る私
楽しかった、夏の日々も
優しかった、あなたの思い出も
愛しかった、あなたの温もりも奪われた
あなたの抜け殻だけに顔をうずめる私
あなたの温もりが消えて行く
泣き叫ぶ私に神の下僕は引き離す
あなただけしか愛せない、あまりにも無常な宣告
死なないで、死なせないで、生き返らせて
これからは、あなたのために尽くします
だからお願い、あの人を帰して
私は何でも罪を償います、だから
あの人だけは奪わないで、
叶うなら私の命を引き換えにと祈る私
泣いても泣いても 神には伝わらない
ただ冷たくなる、あなただけにすがる私
寂しいの 悲しいの でもあなたは答えない
その時私は、ただ現実と言う実感を 拒否していた
聡は病院に救急車が着くと即座に、集中治療室に運び込まれた。そう、あの時のように..。
集中治療室では、適切な処置を行っていた。
医師達は看護婦達に的確な指示を下す。
医師達は集まり手術の相談をしている、
看護婦が聡の頭のレントゲンを持って来た。
それを蛍光灯に照らし確認する。
医師が、「脳内の周りに血液が充満している、おいドリル持って来い!」。
医師の指示で、看護婦はドリルを即座に用意すると、
看護婦は 聡の頭部の髪の毛の一部分を、カミソリで剃り、
医師がそこからドリルで穴を開けると、血が噴出した。
医師は、「血液持って来い、早く!」
看護婦は焦りながら、O型の血液を聡の腕に輸血する。
それと同時に血液凝固剤を挿入、そして最後の手段、
心臓停止状態の聡に与える処置は、電気ショック。医師は「ショック持って来い!」。
看護婦は準備を整え電極を医師に渡すと、
医師が電極を、聡の両方の胸に押し当てスイッチを入れた。
聡は”ボン”と体が挙動する。医師はパルスモニターを見る。
脳反応ゼロ..。
心脈は十秒も経たないうちにゼロを示す。
二度目のショックを与える。また聡の体が挙動する”ボン”と、さっきと同じ状態だった。
三度目のショックを与えた、”ボン”。 その時医師達の手が止まる。
医師はその状態から様子を見た。
一人の医師が手で心臓マッサージを行う、三十分後その手を止めて、モニターを見つめる医師達。
一人の医師が腕時計を確認、「午後三時、十八分」。 看護婦はカルテに記載した。
すでに集中治療室の外に連絡を受けた仲間達、家族が駆けつけていた。
集中治療室から顔に白い布を被せられた、聡が出て来た。
皆、肩をすくめた。
香菜はそれを見て、聡に寄り添い、「はとひふん、はとひふん」(聡君、聡君)。
名前を呼びながらベッドに乗せられ、ゆっくりと運ばれながら、その後を付いていった。
その後から少し前にお世話になった石川医師が、集中治療室から出てきた。
そして両親、親友達に告げた。
石川、「私達は最前の努力をしましたが、私達の手に追えませんでした。
真に残念な事をお伝えしなければなりません、聡君は、天に召されました」。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




