第二十章、思い出4
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1498311.html
デリックの本社に付いた二人は、社長室に案内された。
社長室のドアの前で聡は、「失礼します」と、
一言告げて関係者数人がドアを開けて、社長室に入った。
社長では有ったが、その優しい面持ちの和倉は、椅子から立ち上がり、
手を差し出し握手を二人に求めた。
握手を二人に交わし和倉が、「やー、おめでとう!」。
聡は深々と頭を下げて、「有難う御座います、お陰で、僕達の夢叶いました」。
和倉、「さすが大崎が支持した二人だ、本当はここに大崎が座るはずが、
僕に社長を譲ってね!根本的に、この会社の設立者は大崎なんだ!」。
二人は、顔を見合わせて驚いた。
昼間はガソリンスタンドのオナーで、
その延長でスタジオを経営している人だと、思っていた聡は、
そんなに偉大だとは信じがたかった。
聡、「あ..ああー そうだったんですか..」。
和倉は笑いながら、「まあこちらにどうぞ!」と、
別室の応接間のドアを開け、手を差し伸べられた。
案内されて、軽く頭を下げ二人はソファーに座った。
和倉もその向かい側に腰を据えた。
和倉、「驚いたろ、大崎アイツつわ者なんだ」。
聡、躊躇いながら、「あ..この頃そう思うようになりました!」。
和倉はまた笑い、「人には見せないなー 絶対.. だから怖いのだけどね」。
聡、香菜は、苦笑いをして俯いてしまった。
和倉、「だけど、味があっていい奴だ。昔俺がバンド奴と組んでいた時は、
気に入らないと、メンバー直ぐぶん殴っていたけどな」。
聡は焦りながら、「怒らせなくて良かった..」と、呟いた。
和倉は、「あー!怒らせると凄いぞ!何人今まで半殺しにして来たか、
はっははは冗談だよ! 誰かさん流に言うと、半分本当かも..あははは」。
聡、しゃれとして聞けなかった。
和倉、「大丈夫だよ!聡君の事、奴はかなり気に入っているみたいだ!
逆に僕が君達に、手荒な真似したら殺されるよきっと」。
聡は、後頭部に手を添えて、「俺そんな、大それた奴じゃないです」。
すると和倉は立ち上がり、窓際に佇み外を眺めた。
和倉、「アイツの彼女、元レシアの女性ボーカル、野口由紀子だったんだ..」
その時、二人の表情が急に重くなった。
元レシアの女性ボーカル、野口由紀子は十五年前に、都内のホテルで酒と睡眠薬を大量に飲み、
手首を切り自殺したのである。
レシアと言うバンドは、その時代のメジャーバンドで、ボーカルだけが女性で構成された、
当時、流行のバンドスタイルで、今ではよく有りがちな、バンドスタイルであった。
だが、由紀子のボーカルセンスは独特で、ハスキーでは有ったが魅力的で、
若い世代からは、絶大な人気を保っていたのであった。
和倉、「知らなかったろ」。
二人は、その表情のまま俯き、軽く頷いた。
和倉、「素直な子だった..でも変わっていった!周りが彼女を変化させたのさ..」。
聡は俯きながら、何気なく、「どうして..どうしてそんな事に!」。
和倉、窓の空を眺めて、「彼女..最初渋谷駅付近で、一人ギター抱えて、歌ってたいたんだ、
その時はまだ、自主制作なんて無くて、レコード会社が眼を付けてくれなければ、
CDなんて素人が、簡単に作れない時代だった。
彼女は孤児で、施設を出ると直ぐ街に出た。その時不良だった大崎と知り合った。
大崎も音楽は何より自分のステータス、直ぐ意気投合した」。
和蔵は窓から離れ、聡達が座っているソファーに来た。
すると、香菜の前でしゃがみ、微笑み香菜の頭を撫でた。
和倉、「この子にそっくりだ、歳も同じくらいだったな..」。
すると和倉は、自分の財布から、一枚の写真を出した。
それを聡に渡した。すると、野口由紀子と大崎の若かりし頃、
和倉がベースを抱え、その他メンバーが写っていた。
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