第十九章、初めての疑惑4
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
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聡達は香菜宅の前に来た。
もう時は、九時半を過ぎていた。
聡は躊躇いながら、家のチャイムを押した。
すると玄関の灯りが照らされた、玄関のドアが開いた。
秋子が中から出て来た。
聡が、「済みません、こんな時間に突然..」。
すると秋子が微笑みながら、「なに言っているの、聡君はもう、うちの子みたいなものよ!」。
聡は後頭部に手を添えて、照れながら頭をぺこぺこ下げて、
「あのー、夕方はご迷惑おかけしました。僕が香菜に誤解するような事しまして..」。
秋子は、気にも留めてない様子で、「いいのよ今まで、甘え過ぎていたの聡君に、
ここでお灸すえとかないと、お互い後続かないわよ!皆さんも上がって」。
聡達は、「しつ礼します..」。と告げて、家に上がった。
台所に行くとテーブルには、一人分の食事が食べられていないまま、置いてあった。
それを見た仲間内が、覚束ない顔を現した。
秋子がこの三人を居間に呼んだ。
しばらくすると、皆にジュースを持ってきてくれた。
それを座卓に置き秋子が、「皆なこっちに来て座って!」と、座卓に呼び寄せた。
聡達は、頭を下げて、「お構いなくと」呟き、秋子も座った。
秋子、「皆な、心配して来てくれて有難う」。
聡、「済みません、俺..」
秋子、「いいのよ、甘えているの。聡君が香菜に本気だと言う事は、
最初聡君に会った時によーく解っているわ」。
恵美、「突然優しい理解者が現れて、自分を理解され優しくされてしまうと、どうしても..」
秋子、「それなりにあの子も、今の自分を見つめて、あの子なりに皆なに理解されるよう、
努力しなければならないのよ、あの子より、
重い病気や障害抱えている子は、たくさん居るんだから」。
斉藤、「香菜ちゃんのお陰で、皆なまとまって行きました..」
秋子、「聡君の事は、皆な承知しているの?」
恵美と斉藤は頷いた。
秋子、「まったく!皆な来ているの解っているのよ、
聡君の誤解も本当だと承知しているのよきっと。だけど悔しいの、
仲間以外の女性と歩いて居た事があの子は。
聡君に自分だけを見ていて欲しくて、しょうがないのよ..」。
恵美、「その気持ちは解ります、私もそうだったから..」。
秋子、「気が小さいくせに、あれでプライドも有るのよ、聡君の恋人だって!」。
恵美は首を竦めた。まるで自分の事を言われているようで、仕方がなかった。
斉藤、「恵美..今のお前の気持ち..解るけどな、一つ頼む俺からも..」。
恵美は秋子に、「香菜ちゃんとお話させてもらって,いいですか?」。
秋子、「ええ、私からもお願いします」。
聡、「すまん..」。
恵美、少し微笑んで階段を上って行った。
部屋に入ると真っ暗な部屋の中に、香菜らしき姿が町の灯りで薄っすら見えていた。
恵美、「香菜ちゃん、私、恵美、メール見てくれた?」。
香菜はそっと振り向くと、恵美は街の明かりになんとなく、香菜の表情が見えた。
恵美は入り口の壁に、灯りのスイッチが有る事を確認する。
恵美、「香菜ちゃん電気点けていい?」。
尋ねると、俯き加減の香菜が、頷いた事を確認するとスイッチを入れた。
するとベッドに座り、泣きつくしたかの様で、顔が少し脹れていた。
恵美はそっと、香菜の横に座った。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




