第十九章、初めての疑惑3
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
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香菜はすでに、家に戻っていた。
自分の机で、泣きじゃくっていた。
母親秋子がその声を聞きつけ、香菜の部屋に入って来た。
秋子は泣いている理由は聡の事だと、言わなくても解っていた。
秋子、「けんか..したの?」。
問いかける香菜の肩に、手を添えた瞬間、急に机の引き出しを開けて、
カッターナイフを取り出した。
それを、自分の腕に押し付け様とした時だった。
秋子はその腕を掴み、もう一方の手で頬を張り倒した。
その時、同時にカッターが床に落ちた。
なんどもなんども、張り倒し、泣き止んだ香菜に秋子は、
「そんなことして、聡君と天国行けると思っているの#!」。
生まれて一度も見せた事の無い母親の表情に、驚いた様子で香菜は、秋子を見つめた。
秋子、「お母さんねー、香菜の考えている事ぐらい解るの。
信じている、あなたが信じなくても、私は聡君を信じている、
あの時..そう家の角で、思い悩んで携帯見つめていた表情見てそう思った。
なにがあろうと、この子なら貴方を幸せにすると」。
秋子は床に落ちたカッターを拾い上げ、香菜に差し出した。
秋子、「好きにしなさい!きっと聡君来るわよここに、
そうしたら手から血を流している香菜見たら、どう思うか、あなた自身考えてからにしなさい!」。
そういい告げて、この部屋から出て行ったのであった。
渡されたカッターを手にして俯き、手を下に下ろして、香菜はしくしく泣いていた。
しばらくすると、家のチャイムが鳴った。
聡は香菜の家に佇んでいた。
秋子が玄関を開けると、覚束ない表情で聡が立っていた。
聡は秋子に、「すみません、香菜帰っていますか?」。
そう尋ねると、秋子は微笑み、「部屋に居るわよ、上がって!」。
そう言われ、静かに家に上がった。
すると階段を見つめ、静かに二階に上がる。
きし、きし、と、階段を踏み出す音が聞こえると、香菜は顔を強張らせた。
聡は部屋のドアを開けた。
俯いたまま、左手にカッターナイフを手にしていた香菜を目の当たりにした。
聡は香菜のベッドに、腰をゆっくりと据えた。
聡、「どう言っても、繕えないな..」。
香菜泣きながら、聡に振り向いて黙っていた。
聡の脳裏に(これから私も愛してくれるの、あの人と一緒に...)
聡は首を振りながら、強い口調で「….信じてくれ!あれは偶然コンビニで話が弾んで..」。
香菜は泣き出しこの部屋から出て行こうと、椅子から立ち上がった。
その時、聡は香菜の腕を掴んだ。
同時に持っていた、カッターもベッドに落ちた。
そして、「嘘じゃない#!」。
そう言うとまた、顔を強張らせ何も言わず、聡を睨んで聡の脳裏に
(皆な噂している、聡君二股掛けているって嘘つき..)
香菜言葉を発し「うほふひー!」(嘘つき-!)。
そう言って、聡を振り払い階段を下りていった。
聡も静かに階段を下りて、泣き声が聞こえている台所に行った。
うつ伏せになって泣きじゃくる香菜に、
「本当だ嘘じゃない、あれは久しぶりで話が弾んだだけだ、裏切ってなんかない!
噂なんてハッタリだ、俺と歩いて居た同級生の西島玲子に直接会って話ししようぜ!
なら恵美に聞いてもいい、真に、斉藤に聞いてもいい、今から携帯掛けて聞けばいいだろ、
それなら、学校のやつら全員に聞きまわっても構わない!」。
泣きじゃくる香菜に何を言っても無駄だった。
香菜うつ伏せたまま、顔を聡に向けて、泣きながら、「へへひっへ!」(出て行って!)。
そういい告げられると、聡はしょ気て家から出ていった。
聡は一人で街を歩いて居た、すると携帯が鳴る、徐にズボンのポケットから、
携帯を取り出すと、携帯を開いた。
着信は、斉藤からだった。
聡は着信ボタンを押して、覚束ない声で電話にでた、「もしもし..」。
斉藤、「聡かぁ..今日な、焼肉皆で食べに行こうと思って、香菜ちゃんと一緒にどうだ?」。
聡、「悪い今日は止めとく、じゃー」
斉藤、「おい..おい!」
聡は切ってしまった。
携帯を持ったまま、またしょ気て歩き出す。
するとまた携帯が鳴る。
今度は恵美からだった、「聡君」。 聡、「ああ..」。
恵美、「なんか遭ったでしょ..香菜ちゃんと」。
聡、「今日お前の言った事さ、当たったんだ..」。
恵美、「どうしたの、香菜ちゃんと喧嘩した?」
聡、「ああ、やっちまった!西島とコンビニで偶然会って、
話しながら歩いている所、偶然見たらしい、
俺、噂されているみたいだ、香菜の高校で二股掛けているって!」。
恵美、「解った..ちょっと会ってくれる?何時もの所じゃなくて、斉藤君の家で..」。
聡、「ああ、時間掛かるけどいいか?」。
恵美、「かまわないよ!」。
斉藤の家の部屋で..
聡、黙ったまま、下を向いていた。
恵美が、「何時か、やると思った..」。
斉藤、「人気者を彼氏するのも大変か?」恵美に問いかけた。
恵美、「一度は経験しないと、免疫付かないけど、気持ちは張り裂けるくらい解るな..」。
斉藤も ”はー”とため息を付いて、下を向いた。
恵美、「私もそうだったけどね、それから、悪くなりました!」。
斉藤、「ばーか、聡、脅かしてどうする#」。
恵美、「香菜ちゃん特にそう..何もかも聡君頼りだから、先が無くなるのよ」。
聡、「俺も、気を付けていたのだけど..まさかあんな偶然に..」。
恵美、「ここ半年、何もかも有り得ない偶然が、周りで起きているのよ..不思議と」。
斉藤、”ん、んー” と咳払いをして、
「で、恵美の前で聞いちゃ悪いけど、大丈夫なのか?
あ..あの、ここで言い辛いけど、香菜ちゃんの安否は?」。
聡、「それが..手ににカッター持っていて」。
斉藤と恵美は、表情が一変して 斉藤、「お前!ここに居ていいのかよ#!」。
恵美、「取り上げた?」。
聡、「ああ、香菜が部屋から出ようとした時、俺が腕を掴んで、
手から放してベッドに落ちたのを拾って来た..」。
徐に制服の上着から、カッターを出した。
斉藤と恵美は、ほっとした。
恵美が、「しょうがない!聡君、今日は携帯貸してもらうからね」。
そう言って聡の前に、手を出した。
聡、「あ..ああ」。
やるせない表情で、ズボンのポケットから携帯を出した。
それを受け取ると、慣れた手つきで携帯にメールを打っていた。
打ち終わると、立ち上がり、「もう一度、香菜ちゃんの家に行こうか」。
聡と斉藤は、それに従った。
香菜の家で..
香菜もまた落ち込んでやるせなく、電気も点ずに自分の部屋で、
ベッドに座り、夜の町を眺めていた。
すると携帯が鳴る。携帯のメールを着信するメロディーが鳴っていたが、
携帯を見る事も無く鳴らして置くと、メロディーが止まった。
しばらくして何となく、机から携帯を取って着信暦を見た。
着信したメールを開くと、
[恵美だけど、ごめんね、聡君の携帯からメールして、聡君落ち込んで斉藤君の家に居るの、
話聞いたよ!ちょっと私とお話しようか、今迎えに家に行くから]
聡達は電車の中で..
聡、「俺、香菜と結婚の約束したんだ」。
斉藤、「卒業してからかだろ?」。
恵美、「昔の私と似ているな..無垢な子が、優しくされて来た人に、
結ばれる事を口にされると、もうどんなにドライになっても、
その時の..ときめきが忘れられないの。その時を思い出すと今置かれている現実が、
堪らなくなり、恨みに変わってくる、嘘つきと..」。
聡、「言われたよ」。
斉藤、「聡は本気なんだろ!」。
恵美、「本気に決まってるでしょ!そう言う所は浩二と違って、軽はずみには口にしなかった!」。
聡、「斉藤には悪いが、恵美を浩二から奪いたくて、激しく犯した事も有ったがな」。
恵美、「何処が激しかったの?」。
その時、斉藤と聡が恵美を見て唖然とした。
恵美、「浩二、させないと、凄かったよ、ギターの弦で首絞められた事も遭った、しかも私の部屋で。
わざわざ弦ポケットに入れて来てだよ、させなかってけど、死んでもさせるもんかと思った#!」。
斉藤、聡、何も答えられなかった。
恵美、「それと、香菜ちゃん自分自身、気が付かない内に、
聡君が自分のしもべなのよ。聡君のその優しさが何時か痣になるの、
心から愛して上げた、なんでも聴いて上げて、何でも解って上げた。自分の蟠り、
それを100%理解してくれた、増してや自分の書いた歌を歌ってくれる。
自分が人に表現出来ない事も、聡君が忠実にサポートして伝えてくれる。
私もそうだった、こんなに優しいのに、こんなに愛情注いでくれるのに、
何時かそれが当たり前になった時、愛を失うの。
そして自分を振り返ると、バカだった事に気が付く、
私はそれで、取り返しの付かない所まで行っていしまった。何時も優しいから許してくれるとね」。
斉藤、「でもさー、優しさって、何処で制限すればいいんだ?」。
聡と恵美がそれについて悩んだ。
恵美が、「経験よ、自分が失敗してみないと解らない!」。
聡、「お互いにな..」。
斉藤、「ああ、それもそうだし、香菜ちゃんは、皆を穏やかにしてくれた天使。
だから仲間内は優しくする。
香菜ちゃんがしゃべった言葉、仲間内は敏感になり、理解しようと努力する。
そうすると、仲間内に甘える。 無論、聡もそれは言えているだろ?」。
聡、「ああ、今考えれば恵美の蟠りを、香菜にぶつけていたな..」。
恵美、「そうだね、そうなるよね..本気で愛していいのか、悪いのか、
どっち付かずの私と付き合っていれば、純情で一途な香菜ちゃんに、
自分の持っている愛を、全て注ぎたくなる」。
斉藤、「言いたがないが結局、浩二に繋がるのか」。
恵美と聡が、同時に呟いた「そうだね..」。
恵美、「私達には解らなかった事だけど、私達より蟠る気持ちが強い。
それは、伝わらないと言う、ジレンマ。
今、言いたい事を言える私達には、解らない事。
それを、心の底から覗いてもらい、思った事を、考えてくれて、
しゃべってくれる人。例えば、眼が見えない人に、眼を貸すことが出来る人。
それ以上にその人の眼は、着ている服まで透けて見えたとしたら..」。
斉藤、「それなりのアイテムや方法は有るが、会話で即座に言葉で伝える、
耳は聞こえているのに、言語がままならない、伝わらない、そしてジレンマ」。
聡、「香菜自身が努力しなければ、俺達がどうする事も出来ない事も有るさ..」。
恵美、「そうだね..。でも不思議だね、皆な香菜ちゃんが居ると、
自分を振り返る事が出来るなんて」。 斉藤、「そう言われればそうだな」
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




