第三章、待遇4
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1498311.html
そして真が、「遊び半分..ただ、『俺達も、カリスマになろうぜ!』。そう言って、
浩二が一人ではしゃいでいてさー、俺と小百合も
なんだか解らない内に、浩二の情熱に乗せられて、幸いかどうか、
中古楽器ヤフオク(ヤフーオークション)でシンセ、サス(エレキギター)、ドラム。
一式セット5万で出てたんだ..」。
真が聡の方に顔を向けると、聡が俯きながら軽く頷く。
真が少し笑みを浮かべて、また遠くを見つめると話始めた。
「今、バンドなんてやっている奴、ルックスいいか、いかれている奴しかやらねーだろ..」。
聡は、俯きながら少し首をかしげた。
真が笑いながら、「皆なそんなもんだぜ!」。
聡が、「そうかなぁー?」と気の無い返事。
真が、「一人二万出せない金じゃ無かった。俺達はそれで楽しめるならと、
金を出し合ってヤフオクに入札かけたら、六万で落ちたんだ、
楽器が俺の家に届いて、俺達はいたずらに引いてみた..、
様にならない俺達だったんだけど..次第に個人で練習すると、
リズムが揃い始めたんだ。やけに浩二だけ様になっていて、
それが幸いしちまったんだ。
ドラムが軽快なって言うよりキッチリ、リズミカルに叩かれると、
自然と、ぎこちないギターベースも、それに合わせ様と自然と様になって行くんだ」。
聡が、「今じゃーそんな、面影も無いほどだな、
今のクラウのメンバーがそんな風だったなんて、誰も思わないぜ!」。
聡がそう呟くと真は俯き、「あーそうだな..結局足りないものが有ったんだ..」。
その時聡は、真の顔を見ていたが俯いた。
真が、「俺ボーカル下手でさー、ギターなら行けるんだけど、ボーカルだけは感性の世界だ..」。
聡が「何言ってんだよ..」。
真が俯きながら、「楽器は練習すれば、それなりになる。
でもボーカルは、自分が良かれと思っても..
声質、イントネーション、バイブレーション、それはその歌い手の感性なんだ」。
聡がいきなり、「あはははっは..なんだそりゃ~まじめって言うか..考え過ぎっつ~かさ~」
その時真が激怒する、「俺には、その感性とか天性とかがねーんだよ!#」。
聡がその時、「すまん」と、陳謝すると真が、
「いいんだ、まじめに考え過ぎたと、俺も後で気づいたから..」。
聡、「俺..調子こき過ぎてたな..」。
真、「へ...?」。
聡、「俺こき過ぎた」。
真、「なんだよそれ..」。
聡、「あいつの言う通り..調子こいてたな..俺..」。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。