第十八章、感謝
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
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作詞:川坂 香菜
(Shiny Pastel Moon)
いつもこの手をつないでくれたね
幸せを導いてくれた
優しく私を抱きしめてくれた
どんな時もくじけない私だった
買いたての缶コーヒーをポケットに入れて
手を温め繋いでくれた暖かさは忘られぬ思い出
この街も春の訪れを迎えるかの様に
花屋はカラフルな花を飾っていた
あーあの懐かしいラブソングは
今は思い出のかけら
懐かしいと思える頃が、切なかった
あなたは今何をしているのだろう
春風が街の枯葉を浚う頃
連れて歩く犬が私に微笑んでくれた
そっと触れると、飼い主も微笑んだ
ありふれたひと時で、切なさから少しだけ
開放される様な気がした午後のカフェテラス
あなたとこうして飲んだカフェオレも
今は味気なく感じるのはなぜ
いくつものあなたと描いた夢を
心のアルバムに飾り途方にくれた
無くした恋を追う自分が切ないのは
このカフェオレの薫りなのか
薫りとは裏腹に切ない心をいだいてた
カフェテラスを出た私に
冷たい雨が降り注ぐと私は泣いた
そうよ今は泣いても誰も気付かない
雨に混じる涙は私の心を映し出す
レイン、レイン、街を走り出す人々がぼやけて見えた
レイン、レイン、涙の果てには寂しさが私を覆う
レイン、レイン、誰もが体験する人生の狭間
あの時、この場所で出会い
終わりはこの場所だった
降り注ぐ雨を見上げ、涙ながら有難うと呟く私は
びしょ濡れで街を歩き出すと、声を出して泣いていた私
その時、何気なく雨が凌がれた
見上げると赤い傘が私を覆っていた
彼が私の傘を差し、忘れ物だよと呟いた
私は泣きながらあなたに上げると呟くと
彼は私に、忘れ物は僕との恋の行方
そして強く抱きしめられる私だった。
はいOK!
デリックスタジオで、二曲目のレコーディング終えた二人が、レコーディングルームから出てきた。
小百合と真に聡が、「有難う」。そう言って握手を交わした。
関係者たちが、「無くした一ページも、オリコン58位にランクインです。
徐々にですけど、ランキングは、上がってきています」。
企画担当の安部が、「大崎さんが、かわいがっている子達だ、手荒な真似は出来んよ」。
関係者達が笑った。
真、「大崎さんて、そんなに偉いんですか?」と、尋ねると安部が、
「俺達、ここに居るのも、あの人からの、社長へのコネなんだ、君達も同じだろ?」。
美紀、「聞いたは、大崎さんに..。大崎さん、『真剣に信じてたぜ!』とか言っていたわ。
貴方達に、私の素性の事で、『やばい人に顔利く』と、言っといたそうね、
私よりあの人の方が、よっぽど顔利くわよ、それよりその人達が一目置いているわ..」。
また、関係者達は笑った。
聡、小百合、真は、黙ってしまった。
真、「あ..あの、あー、そうか」。
美紀、「そうよ、ま・こ・と・君」無論..。
真、「は..はい」。
美紀、「元オーバーレブの誰かさんの話とはちょっと違うは」。
皆は、大笑いをした。
真、「済みませんと、頭を下げた」。
美紀、顔を強張らせ、「いいのよ私も、ちょっと顔利くけど..」。
真、青ざめた。
美紀、「嘘よ..、半分本当」。
真、「勘弁してください」。と、怯えた。
真はその後、元オーバーレブのボーカルは、どうなったかは聞けなかった。
この仲間内で最終的に何時も損をするのは、真であった。
企画担当の社員の一人、マネージャーも勤めていた木辺 幸子が、
「来週ミュージックテルの出演が決まりました」。
皆な拍手をした。
聡、「あ..有難う、でもこれは、俺達だけじゃなく、皆がバックアップしてくれたおかげだ」。
真、「俺も一時はどうなるかと思ったが、遣ったかい有ったよ」。
小百合、「そうだね!これも香菜ちゃんが現れたおかげよ!」。
香菜は、俯きながら、顔を横に振った。
そして聡の脳裏に(私じゃない、神様が与えてくれたの、私に、聡君に、
そして皆を、その行を称えてくれたの)
聡、「神様からのお声だ、神が与えてくれた人達を、互いに認め合い、
香菜を、俺を、そして皆を、その行を称えてくれたとさ」。
安部、「聡君は、神様とお知り合いかい?」
聡、「ええ、半年前に知り合いました、天から降りて来てね、そして、
最高の天使を与え、皆を癒し、一つにしました」。
安部、「聡君は、かなり信仰に熱いんだね」。
小百合、真、美紀、香菜が笑った。
美紀が、「そうね、信じる者こそ救われるのよ、それは、
人を見る眼を養ってからね。この間、白畑さんと食事した時、そう言っていたわ..」。
小百合、「大崎さんも罪な人ね、きっと天罰が来るね、恵美って子から」。
聡、「ハイヒールの角で、踏み倒されるぜ」。
また皆なは、笑った。
小百合、「怖いよぉー 恵美は..、下級生がよーく知ってる!」。
聡、「言えてる」。
美紀、「浩二君今、生きていたら、どうなって居たか解らないわね、ふふ」。
美紀は、口に手を添えて微笑んだ。
聡は、そんな美紀に微笑んだのであった。




