第十五章 スカウト
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
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「聡..聡..おい」。
城南高校、総合設計技術課程の教室で….
加藤、「聡、授業もう終わったぜ!」。
机で居眠りをする、聡を起こした。
聡、「まじで…」。
教室には、もうこの二人しか残って居なかった。
加藤は帰り支度を済ませ、まだ居眠りをしていた聡に、「後は頼んだぜ!」。と、
教室の鍵を手渡した。
まだ、意識朦朧状態の聡、目をこすりながら、教室の時計を見た。
時刻は、四時半を回っていた。
すると、斉藤と恵美が教室に入って来た。
恵美、「聡君、なに寝ぼけてるのぉ~#!今日大事な日なんだから..」。
斉藤、「恵美、そう攻めるなって!昨日寝れなかったに決まってるだろぉ~」。
真と小百合も教室に来て、小百合、「時間無いから直行するよ」。
真、「香菜ちゃんは?」。
聡、寝ぼけ眼で、「香菜も授業終わるの、このくらいの時間になるみたいで、
終わり次第、メールくれるって」。そう言いながら、制服のズボンのポケットから、
携帯を取り出すと、メールを確認した。
恵美、「どちらにしても、学校から直行ね」。
すると手提げカバンを持った香菜が、この教室の入り口に佇んでいた。
恵美、「あれ、来たんだ!」。
香菜が教室に入って来た。
香菜は、みんなの前に来て、手でジェスチャーをした。
聡を指差し、何か書く真似を。
勘のいい小百合が、「あ!聡君がどんな風に勉強しているか、見たかった訳ね」。
恵美、聡に顔を近づけ、「さ・と・し・君」。と、“君”の所で、首を傾げ微笑んで、
「『ちゃんと、勉強していたの?』って!」。
聡は寝ぼけ眼で、「あー、夢の中で」。
真、香菜に、「聡は居眠りをしながら、マスターする事を、覚えたらしいよ」。
皆な笑った。
聡、「すげー嫌み、恵美そこだけしっかり見てるし..」。と、
また机にうつ伏せになって、眼を瞑ってまった。
仲間達は笑いながら一斉に、「そ・の・と・お・」りで、皆な、微笑み首をかしげた。
スタジオ、ドレッソにて….
時はすでに五時半、スタジオには多くの人々が行き来をしていた。
スタジオ独特の楽器の匂いと、雰囲気が漂うこの空間。
人はそれぞれ、色んな思いを抱きくこのスタジオに、この仲間達が居た。
さり気なく、何処からか寂しい様な、それで居て、激しいギターの音色が聞こえてきた。
ふと、その音色が聞こえる方に眼をやると、ミキサー室でギターを弾く、一人の女性が居た。
それは切ないほど悲しく聞こえる音色が、このフロアーを包むのであった。
シャープな指使い、それとなく親指で、ナチュラルに叩く弦、まるで美紀の寂しさを、
かもし出す様であった。
その姿を見つめながら、ミキサー室に向かう香菜と聡。それを見守る仲間達が居た。
美紀は足を組み、ギターを頑なに弾いていた。
それを、この二人が見つめていた。
美紀がジャーン..と、弦を荒立て引き終えたか、ギターをミキサーの脇に立てかけた。
すると、二人を見つめた。
聡、「….」。
美紀、「….」。
香菜、「ほんひひは」。(こんにちは)深々と頭を下げた。
美紀、聡を睨んだ。
それを見た香菜は俯き、下唇をかみ締めた。
聡も、美紀を睨んだ。
美紀、「ふふ、かわいい、欲しいわ、貴方の心、いえ、すべて奪いたい、
全部私が頂戴する変わりに、デリックに資本かけて上げる..、どう..いい条件でしょう」。
恵美、斉藤、真、小百合、大崎が、美紀を睨んだ。
聡、「ええ、いい条件ですね、でも残念だ、僕も男じゃない、なぜなら、
恵美を愛し切れず、愛してくる人に逃げた卑怯者です、残念です。この話は無かった事に」。
聡は香菜を連れて、立ち去った。
美紀は急にミキサー室を出て、「負けたわ..」。
美紀が、「強いわね、貴方の香菜ちゃんの思い」。
美紀は恵美に、「貴方の言う通りね。私も初めての男の選択を間違えた、
白畑さんと私、同じね…、男見る眼が無い所は..」。
聡、「僕はそんな、値打ちのある男では有りません、
ただ、僕の心を傷つけられたくない 香菜は僕の心です。貴方のプライドを壊しても、
僕の心とは引き換えに出来ません」。
美紀、「貴方達の事情はさっき、大崎さんから聞いたわ、私もこの間あの場所で、
ピリオドよ、男をはぶらかすのは..」。
そう言って、微笑んだ。
美紀、「ここで、歌って欲しいけど、きっと、私の涙が止まらなくなると思うわ、
香菜さんて言いましたか?」。
香菜は軽く頷き、手提げカバンからペンと紙を取り出して、フルネームを紙に書いて渡した。
美紀はその紙を見つめながら、「貴方の面持ちを見て解ります。
聡君をどれだけ愛しているか、それとあなたの書いた歌の内容も…」。
小百合は、香菜に、マスタリングした、オリジナルのCDを手渡した。
香菜は、座っている美紀に、頭を下げてそれを見せ、それを美紀が受け取った。
美紀は、「大崎さん、マスタールームわずかな時間…そう、十五分でいい、貸してくれない?」。
大崎に尋ねると、大崎は、ズボンに複数鍵が付いている器具から、
一つだけ鍵を探し、その器具から外して、美紀に渡した。
美紀は、恵美の顔を見て、「私一人だと、大崎さんや、皆に迷惑掛けるかもしれない、
一緒に聞いてくれる?」。
恵美が、「喜んで、御一緒させて頂きます」。
そう言うと、二人は、静かにこの部屋を後にした。
マスタールームの鍵を開けて、ドアを開けると大きな、プロ用の複数設定ボタン、
ジャックダイヤルが着いた、CDプレーヤーが置かれていた。
美紀は鍵をCDプレーヤーの上に置き、CDのパッケージを空け、
ケースからCDを取り出し、それを掴みながら、人差し指で、イジェクトボタンを押すと、
トレイが出てきた。掴んでいたCDをトレイに落とすと、小さな音で、
ポンと音を立て直ぐ、トレイがプレーヤーに吸い込まれていった。
不思議と、二人は行動が同じになる。
二人は、椅子に座り、拝むように手を合わせ、その指先を口元に付けて、瞼を静かに閉じた。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




