第十四章、つて3
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
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聡も真を殴りつけた、「ばか野郎ー#!考えて物言えー!」。
聡に殴られて吹っ飛んだ所を小百合が、真の背中を思いっきり蹴って、
「あんたこそ..あんたこそ卑怯だよ#!恵美がどうして自殺まで追い込まれたのか、
知ってた癖に..全然恵美の事考えて無いよ#!」。
恵美が突然、「香菜ちゃん怖がらせてごめんね!」。
恵美は手で涙を拭い、両手で香菜の両肩を握り締めて、
「私が、私が、香菜ちゃんの願い叶えてあげるからね!」。泣きながら香菜に語った。
香菜はどう答えて良いか解らず、ただひたすら頷くだけで有った。
恵美、「ちくしょー#!」。そう言って恵美が部屋から出て行った。
ここに居た真以外全員呆れて、聡は香菜の手を引いて部屋を後に、この家から出て行った。
そして皆やつれた表情で、斉藤の家にお邪魔した。
恵美は放心状態と、豪泣の繰り返し。連れてかここに居た皆が、同じ表情をしていた。
小百合、「私達、ばかみたいだね..」。
聡、「言うなよそんな事、むなしくなるだけだぜ..」。
そんな恵美を、香菜は自分のハンカチで拭って上げていた。
恵美が突然、「香菜ちゃん..私を慰めなくていいの。
私は聡君を傷つけて来た、悪い女よ..」。そう言うと、香菜は首を振った。
聡、「もーいいよ#!終わった事なんだからそれは..」。
斉藤、「奴が死ななきゃ解らない事実が発覚したが、真も愛情ねーよな、
せめて恵美が居ない時に話しろよ!言い過ぎたか?」。
小百合、「斉藤君の言う通りだよ、ここに居る誰もが想ってる..」。
恵美がいきなり泣き止んで、
「任せてよ!どうせ運良く拾った人生だから、咬ましてやるよ#!釜に..」。
聡、「頼むからヤバイまねは辞めてくれよ!犠牲者これ以上出したくないんだ!」。
小百合、「女の恨みはねー#!釜なんか問題じゃないよ!」。
恵美、「その通りよ#!」。 結託する様に答えた。
恵美、「悪いけどこれはもう、聡君だけの問題じゃないからね!」。
斉藤、「皆の感情の問題だ#!納得行くかー?このまま収まるわけねーだろ!聡..」。
聡、「で..どうするんだ?」。
小百合、「殺しはしないから安心して!」。
恵美、「迷惑は掛けないから..」。
聡、「ちょっと待て!俺達二人の問題で有ってそれは..」。
小百合、「聡君、香菜ちゃんだけの問題じゃないって言ってるでしょ#!
私達の問題でも有るのよ!」。
こうなるともう、何を言っても止める事は出来なかった。
後は自然の流れに任せるしか、方法が無かった。
斉藤、「そいつの事はよーく解ったが..そいつ使ってセールの方向に、どうやって向ける?」。
すると、聡の携帯が鳴った。
着信暦を見ると、周りを見渡した。
その聡の表情で、皆は誰からか察しが付いた。
仕方なく、「もしもしー#!」。
真、「悪かったよ..考えもしないで、しゃべって!」。
聡、「それで..何だ!」。
真は、電話の向こうで躊躇っていた。
聡、「何が言てーんだ#!」。
真、「釜さ!高校の時までは、ヤローの姿で居たらしい、本名、緒方大輔って言うんだって!」。
聡、「それがどーした#!」。
すると聡は、徐に香菜の表情を見ると、不安そうな面持ちだった。
聡は携帯を掛けながら、隣に座っていた香菜の肩を抱き寄せた。
聡の口調が穏やかになり、「それで..?」。
真、「その時から女っぽくて、周りからかなり敬遠されていたみたいで..」。
聡、「あー、なるほど!」。
真、「高校の同級生で、親しかった男が居たらしいんだ!藤岡いや..
緒方は..音楽のセンスは並外れていたらしくて、音楽関係だけの知り合いだったそうだ。
昔..浩二から聞いた話で、浩二が藤岡とベッドで話して..元男だっつー事が解ったんだってさ、
『浩二君なら、私を解ってくれると思った..』って言われたそうだ!」。
聡、「で..それがこれからの俺達と、どう関係して来るんだ?」。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




