第十二章、デビュー2
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
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二人は聡の部屋に居た。
朝から雨模様、聡は部屋で座りながら香菜を抱きしめていた。
聡の嫌いな雨..。
香菜も同様雨の日は、人並み外れてこの二人を、孤独にさせて行った。
今二人はその気持ちを分かち合う様に、互いの温もりに溶かしている様だった。
聡、「ごめんな..雨は苦手なんだ!あの日から..」。
聡の脳裏に、(解るよ!私も雨は嫌い..小さい頃、自分の家が火事になって、
お母さんに抱えられて、家を飛び出した時、消防車が家に水掛けていた所だった。
土砂降りの雨みたいで、びしょびしょになって..)
その時、聡は香菜を寄り一層、強く抱きしめた。
そっと二人は目を瞑った。
春の雨はしとしと降続く冷たい雨、暖かな陽気とは違い、肌寒さが心に沁みるので有った。
聡はそっと目を開けて、香菜を見つめる。
指で頬にそっと触れると、香菜は少し微笑み俯く。
自然に聡の胸の中に、顔を埋めた。
聡の脳裏に、(愛して欲しいの…壊れるくらい…壊れてもいいの..)
聡は、胸に埋もれる香菜の頭を、そっと撫でていた。
香菜は聡の温もりに埋もれ、聡はその香菜の幼い時の悪夢と、
言語のハンデの蟠りも、庇うかの様に包んでいた。
聡は抱いていた香菜を一度話し、背中と足首に腕を掛けて抱き上げた。
そのままゆっくりと、香菜をベッドに運び優しくベッドに下ろした。
「壊しはしないよ..俺の天子だ..香菜は俺の心だから..」。
そして聡はまた、肩を抱き寄せキスをした。
聡の脳裏に、(聡君と出会わなければ、私も今頃、お父さんの所に..)。
聡、「あー、与えてくれたんだよきっと!俺達に試練を与え、
本当の喜びを、本当に心から愛する人を、神が与えてくれたんだ..」。
二人は愛という海に、身を委ねていった。
何処までも続く広い海は、この二人の愛の様に、遠く切なく深いものであるか..。
誘う遥か愛の彼方に、身を委ねて…。
時の過ぎ行くままに、二人は愛と言う大海原をさ迷っていた。
それは雨の日の束の間、薄暗い部屋の中で、二人が語り合うものは青春の狭間。
営みを終えた二人..。
香菜は聡の腕の中で安らかな面持ちで、眠りに付いていた。
聡は上を向いて何を思うのだろうか..。
春の雨はまだ、振り続いていた。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




