第十一章、バックアップ6
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
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この二人は食べ終えて、店を後にした。
聡は香菜を気遣い、「トイレいいか?」と、尋ねると。
香菜は、「はいほうふ」(大丈夫)。
そして二人は、決まっているかの様に、渋谷駅方面に向けて歩いていった。
聡はこの周辺の、色んな言葉が脳裏に走る中、聞き覚えの有る声が、繰り返して脳裏に走った。
(振り向いて、振り向いて)。
聡、「ん..?」
聡は歩きながら、何気なに後ろを振り向いた。
すると真後ろに、斉藤と恵美が立っていた。
聡は立ち止まった。
斉藤、「よー!かわいい子じゃねーか..」。
恵美少し俯いて、聡と香菜に近づいた。
恵美は香菜に、「始めまして!」。香菜に頭を軽く下げた。
香菜も軽く会釈した。
斉藤、「恵美の後輩が、[原宿駅で聡君と、彼女見かけた!]って、メールくれたんだ!
必ず明治通り抜けて、渋谷駅に向かうと仮定して、渋谷駅からここで張ってた訳さ!」。
恵美は改めて、「聡君..今日改めて、けじめ付けようと思ったのだから..
ここでちゃんと彼女と聡君の前で、お別れを告げに..」。
聡は何時もと違う、恵美の面持ちと口調で驚いた。
同時に切なさも増して行った。
聡、「何だよ!急に改まって..」。
斉藤が、「色々恵美から聞いたよ!今までのお前との付き合いと、お前にして来たひでー事と、
浩二の事もぜーんぶな!疑う所が有ったら聡にも小百合にも真にも..後輩にも聞けってさ!」。
恵美、「香菜さん..私があなたの大事な人の心を、傷つけ来た女です。あなたのその表情で、
あなたの聡君に対しての思い..伝わります。私も昔は素直で純でした。
でも..昔中学の時に付き合った彼氏が..私を変えました」。
聡は顔が強張り、香菜は聡に寄り添った。
聡、「何言ってるんだよ#!お前..今日真剣におかしいぜ!」。
斉藤、「さっき、小百合からメール来たんだ。恵美の携帯に、
[真に,TELして、聡君の事聞いて]ってさ..」。
恵美少し目を瞑り、そっと瞼を開いた。
「私は臆病で..それでいて我がままだったの。でも聡君そんな私を許してくれていた。今思えば、
馬鹿だったと思う。でも聡君の優しさは、浩二君なんか問題じゃなかった。
臆病な私が聡君を振り回し、傷つけていた事に私は罪を償いたい。
どんな時でも私を側に置いていてくれた事..感謝したいから。
香菜さん、こんな私から凄くお願いが有るの。
それはね!聡君が、周りの女の子に騒がれても、
聡君を信じていてね。二年間付き合って来た私が、絶対に保証する事は、
聡君はあなたを絶対に離さない。あなたが好きでいる限り、あなたが聡君を愛しているなら、
聡君は何時でもあなたを、側に置いてくれるから。聡君から離れちゃだめだよ..」。
恵美は涙ながら語った。
その真剣な眼差しを見て、香菜は恵美のその言葉を心に据えた。
聡は切ない顔に変わり、恵美を見つめた。
聡を涙ながら見つめていた恵美が、「ごめんね、今まで有難う..」。
聡、「ああ..」。聡はこの場で恵美に掛けられる言葉は、それしか無かった。
長い浩二との、三角関係でのやり取りの中で、まとまった答えが浩二の死..。
それはあまりにも、浩二と自分との無常な神判。故にそう思いたくない聡だった。
恵美、「香菜さん幸せにして上げて..」。
聡、「恵美..殴って悪かった!」。
恵美、「馬鹿#!香菜さんの前で言う事じゃないでしょ#!」。
聡、「恵美が正直に言うなら、俺もお前にやった事、正直に話しただけさ..」。
恵美、「さようなら..あなたと過ごした時間は、幸せだった。
大切にしてよ、私なんかよりもずっと..」。
聡、「大切にするさ!必ず..どんな事があろうと..」。
恵美が手を差し出すと、それを見た聡もそっと手を差し出した。
二人は握手をしながら、聡は、「じゃー..」。
恵美は涙を手で拭い、頷いた。
斉藤、「聡、また四人で飯食いに行こうぜ!」。
聡、「おう!」。
そうして恵美と斉藤は、反対方向に歩いていった。
浩二の死が皆を思い起こさせ、香菜が新たな仲間達の目的を、作り出したのであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




