第十一章、バックアップ4
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
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小百合は聡の自宅から、歩いて十五分くらいの、マンションに住んでいた。
小百合の住んでいる、マンションに歩いて向かった。
そしてマンションの前で真は、携帯をジャンパーのポケットから取り出して、小百合に電話した。
直ぐ会話が終わると、マンションから小百合が出て来た。
小百合に連れられ自宅に入ると、廊下を抜けて突き当りが、小百合の部屋であった。
部屋に入ると八畳くらいの部屋に、電子楽器、ミキサー、パソコン、サンプラー、
なのどの機器が、所狭しと並べられていた。
小百合、「散らかっていてごめん..」。
そう言うと床に置いてあった、譜面やら音楽雑誌やらを、まとめてベッドに放り投げた。
小百合は香菜を見て、「恵美さ!クラスの連中は、
『聡君より斉藤君と、この頃いいみたいだって!』言っていたけど、
後輩に聡君、探らせているみたいで..
恵美、私によこしたメールで、[最初に出会ったのが聡君なら良かった!いじっぱらなければ、
素直に自分の気持ちを伝えれば、幸せになれたのに、あの子みたいに]って。
誰の事言っているのか?解らなかったけど..なるほどね!」。
真が香菜に、「こいつ..恵美って言う同じ学校の、同級生に言い寄られたんだ!高一の時。
言葉巧みに口説かれて、死んだ浩二と二股掛けられて。
でも優しい聡は、問い詰めて泣きじゃくる恵美を、何時も許していたのさ!」。
それを聞いた、香菜は急に聡に寄り添った。
聡の脳裏に、(聡君の心、壊さないで欲しい)。
聡は黙って肩を抱き寄せた。
小百合と真は、香菜がそれを口にしなくても、表情で香菜の気持ちを感じていた。
小百合、「それで聡君、曲付けるって?」。
聡、「あ..あー、これだけど..」。
聡が折り畳んで、手に持っていた原稿用紙を、小百合に渡した。
聡、「俺、香菜が書いた歌、俺が歌いたいんだ!」。
小百合はそれを開いて、眼を通して行った。
小百合は、読みながら“うんうん”と頷いていた。
読み終えたか、三人に振り向いて、「解ったやってみる..バラードね!この頃久しぶりの曲調よ..
いつも激しいのばかりだったから、感覚作るの大変だけど、私本当はスローが好き..」。
小百合が香菜に、「あなたが書いたの?」。 香菜は頷いた。
小百合、「聡君が何時もベースになってるんだ!素敵だね。
あなたが聡君に感じた事を、聡君が歌うんだ」。
聡は少し照れた。
聡、「わがまま言って悪りー」。
小百合が、「新しいスタイル出来たみたいだね!これからの...」。
真、「これでまた、昔のあの頃に戻れるかなぁー?楽しかった頃にさ!」。
その時どんよりとしていた、小百合の顔が少し綻んだのであった。
そして三人は、マンションの外に出ていた。
真は、「スタジオ行って来る」。
聡、真に、「済まん!勝手な事ばっかりしていて..」。
申し訳なさそうに頭を下げた。 香菜も同時に。
真、「まー、しゃーねーお前のおかげでさ..いい夢見たから!」。
聡、「俺も香菜に出会わなければ、きっとお前と殴り合いだ!」。
真、「おー!今日、部屋から引きずり出そうと思ってさ..」。 二人は、笑った。
真、「泥沼地獄の果てに、見つけた花は、香菜と言う優しい花だ!じゃーまた..」。
そう言って、立ち去っていった。
聡と香菜はその時、お互いを見詰め合った。
そしてこの場を立ち去った。
聡は歩きながら、香菜の顔色を伺い、「お腹空かない?」。
そう問いかけると、香菜は微笑んだ。
聡はおどけて、「今日はおごるよ、へへー、結成祝っつー事で!」。
香菜はその時、薄っすらと瞼に涙が溜まっていた。
出会った日の事を思い出した。
おどけていた聡の表情を..。
突然、聡はそんな香菜を強く抱きしめた。
聡、「これからだよ..俺達が輝ける日を夢見て行くのは」。
春の心地よい風が、二人を優しく包む、と或る午後の束の間だった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




