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第八章 始まり2

卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515515.html


そして授業が終わり二人は約束通り、世田谷の環状八号線沿いを、無言のまま歩いていた。


通り沿いの、ファミレスの緑の看板が見えてきた。


二人はそそくさ店に急いだ。


店内に入ると、一学年下の女子生徒が、三人付けて来ていた。


その女子生徒達は、ファミレスの店内にそっと入り、


見つからない様に、こそこそ店内の置くの方の席に着いた。


斉藤と聡の様子を伺う様に。


斉藤と聡は、黙ったままであった。


店内の置くの方の席に着いた、三人の女子生徒は、


なにやら携帯を掛けながら、チラチラ、二人の様子を伺っている。

 

店員が斉藤、聡の席に、水をトレーに乗せて持ってくると、即座に斉藤が、


「俺、アイスコーヒー」。


続いて聡が、「俺、コーラ」。


二人はお互い、適当な物を注文する。


店員は電子メモを、ポケットから慌てて取り出し注文を参照する。

 

「アイスコーヒーとコーラですね、以上で宜しいですか?」。


二人は軽く頷く。


そしてこの二人は、しばらく沈黙していた。


聡は、窓の外を見つめ、斉藤は腕を組み、ため息ばかり付いていた。


しばらくすると、店員が二人の注文のドリンクを持って来た。


店員、「以上で宜しいですか?」。


そう答えると、また二人は軽く頷いた。


店員が去った後、斉藤が切り出す。


「で、別れるんだろ?」。

 

その時、聡は窓の外を見つめていたが、顔を斉藤の方に静かに向けて。


「ああ」、と言いながら頷く。

 

斉藤はアイスコーヒーに、シロップだけを入れて、


その横に置かれたストローを、アイスコーヒーに刺し、かき混ぜながら。


「さっきの話の続きなんだけどあいつ、かなり思わせ振りなんだよな」。


 聡も何気に、コーラを一口直接グラスから飲み。


「恵美クラウ結成前に、浩二と付き合ってたんだ」。

 

 そう聡が斬りだすと、斉藤はストローに口を付けたまま、聡を見ていた。


 聡も、斉藤の顔をチラッと伺った。


この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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