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第八章 始まり

避雷針から..ファーストラブ オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1498311.html




城南高校、三学期の終わり。


もう学級内は三学期も、今日で最後。


校舎の門、或いは校庭には、桜が満開。


学校内の卒業シーズンを演じていた。


明日から春休み。


学校も卒業する生徒達の手はずで忙しい。


聡が居る二年三組は騒がしく、先輩達の話し、来年の受験の話しに、遊びの約束と、


さまざまな会話で盛り上がっていた。


その時窓際に席を置いていた聡は、窓の外を見つめていた。


ふと、さりげなく脳裏に…(聡君、この頃、恵美と良くないみたい)。


(あれじゃー聡君も..引くでしょー)。


(恵美、斉藤君と授業中でも、いちゃいちゃしてたくせに、


意識戻ったら斉藤君の事なんか、見向きもしなくなって)。


(信じられないよねあれじゃー)。


(ハッキリし過ぎなんだよね恵美、皆が見ているのも承知で!)。


(聡君が、いくら意識無かった時の事だからって言っても)。


(バレバレでしょうー)。


(行動大胆だからねー恵美は..)。


会話が脳裏に走ると、聡は一つため息を付く。


そして何気に視線を感じる。


不意に振り向くと、斉藤が自分の机の前に立っていた。


斉藤が、「話が有るんだけどさ!」。


そう言うと、聡は自分の机から斉藤を見上げた。


聡が、「あー」と、ため息を付く様に、スクッと立ち上がった。


その光景を、数人の生徒達が見ていた。


聡は斉藤に連れられて、二人は両手を制服のズボンのポケットに突っ込み、校庭の裏庭に来た。


裏庭に辿り着くと、斉藤がクルッと聡の方に体を向けた。


斉藤、「お前、恵美の事どう思ってんだよ..」。


軽く答えると、聡は少し間を置いて、「どうって言われてもなー」。


斉藤はその時、一つため息を付いた。


そして下を向きながら、「俺..お前には悪いとは、思ったんだけど..」。


聡、「あー知ってるよ、これだけ噂されれば、嫌でも耳に入るぜ」。


二人はお互い下を向きながら、その恵美とのお互いの関係を、認め合う様であった。


聡、「恵美はどう言ってんだ?」。


斉藤、「何も言ってねーよ..ただあいつの態度を見て解った事は、


俺よりお前の方が、タイプだっつー事だな!」。


聡は、「別れるよ、あいつと…、そのつもりだ」。


斉藤はその聡の一言で、顔を強張らせた。


斉藤、「お前、何言ってんだよ#!恵美はお前の事が..あ…」


斉藤は聡の姿を見て、言葉が詰まった。


聡の体がいきなり振るえ始める。


それを目にした斉藤が、「なんだよ、そんなんじゃねーよ、やり合おうってつもりじゃねーぜ!」。


聡、体をブルブル振る震わせながら、「あー俺もやる気はねーよ!」。


斉藤、「じゃーどうしたんだよ」。


聡は、どもりながら、「あ..あーこう言うシチュエーションに弱いんだ..あの日から」。


斉藤は、その聡の姿を見て、「あ..あのなぁー、


聡…お前の気持ち解るけどな、俺も…あいつの事、良く解んなくて」。


聡が、「お互い様だ!それは..」。


斉藤、「で、恵美は別かれるの、承知してんのか?」。


聡、「なー放課後にしないか、落ち着いた所で話さねーか?」。


聡は体をブルブル震わせながら、下を向き斉藤にそう告げた。


斉藤は聡のその姿を見て、「お..おう、じゃー帰り、環八の千歳台のファミレスでいいか?」。


聡は頷いた。


その時チャイムが聞こえて来た。


二人は無言のまま、お互いやるせない表情のまま、校舎に戻って行ったのであった。


この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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