第四章、やるせない日
避雷針から..ファーストラブ オリジナル
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あくる朝聡は、自分の部屋のベッドに早朝、腰掛けていた。
部屋の外は雨..。あの悪夢が蘇る。
『気にいらね~んだったら、やめてやるよ#!』。
雨音が脳裏に反響する。聡は雨が降る日は、決まってこの症状が始まる。
何気に窓の外を眺めると、雨音は無常にも、聡にムチを打ち付けるかの様に、心を傷つけた。
そう、あの日から..。
新聞配達人のカブの音が、さりげなく聞こえてくる頃。
薄っすらと明るくなる窓の外。
聡は石川医師以外の誰にも、自分が置かれている状態を相談出来ぬまま。
いや知れて欲しくない、切ない蟠りが今、凄まじい重みとなって圧し掛かかっていた。
聡はただ黙って、自分の部屋のベッドにそっと寝そべった。
そして浅い眠りに付く。さりげなく目が覚めると、
目覚し時計の”チッチッ”という音だけが、何気に聞こえていた。
聡は仰向けで体を仰け反らす様に、枕もとに置かれている、
目覚まし時計を見ると、もう九時三十五分を回っていた。
今日は月曜日..。誰もが週の初めに、朝からしとしと雨が降っていれば、学校に行く気が失せる。
増してや、今の聡には….。
三月の雨はしとしと振り続く雨、人の心を孤独にさせる。
聡の心も、孤独にさせて行った。
何気に見つめる窓の外は雨..。
薄暗く、どんよりした窓を見つめていた聡は、何を思うでも無く、ただ時だけが過ぎ去って行った。
聡は何気に眠りに更けた。
遮られている太陽の光、分厚い黒い雲、 降り注ぐ雨。そして肌寒い部屋の空気。
聡にとっては、最悪の条件だった。
すると雨雲の谷間から光線の様に、輝く直線の光が聡の瞼を照らした。
聡は眠りこけていたが、その光の眩しさに、眼を瞑りながら目を手で覆う。
そっと目を開くと、雲の間から光が差し込んでいた。
しばらくすると、聡は目覚まし時計を確認した。
聡は心の中で(もう..こんな時間か、学校..)
そう思うと行動力を無くす。 「学校かぁ~」そう呟くと..瞳を伏せる聡。
何気にそのまま、まぶたを瞑った。 また浅い眠りに包まれる。
そこから自然に真の眠りに落ちていった。
何時間眠りこけいていたのか?ふと目を開ける。
そこには、青空がこの部屋を包んでいた。
頭の上の目覚まし時計を見ると、午後二時十三分。完全に学校はサボリモード。
「うっお~」そう言いながら、立ち上がる聡は、背伸びをしながらタンスを開ける。
まだ肌寒い三月始めの気候。聡はタンスの一番下の引き出しを引いた。
そこに畳んであった、紺のセーターを一枚取り出すと、それを頭に通した。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。