力の正体
「その剣はかつてカトスという勇者が使い魔王を倒した剣としてこの世界に代々伝わっている。魔王を倒した後に剣は王宮で保管されていたが剣が王の見てる前で消えていったそうだ。勇者カトスも魔王を倒した後に行方が分からなくなりその剣だけが魔王に刺さっていたという。君のさっき使った剣はその勇者の剣に似ていた」
メルテスさんは知っている事を詳しく教えてくれた。
「実はこの世界に来る前に女神ルキって人から力を授けてもらってそれでこの力を手に入れたと思います」
俺は素直に力の可能性のある女神のことを話した。
「なるほど。それはこの世界に伝わっている女神の伝説になっている女神様かもしれない。このリグルで崇められている女神様がルキという名前なんですよ」
俺も真衣もお互いの顔を見つめ合い驚いた。ここに来る前に出会っていた女神がこの世界で崇められてる女神だったことに驚愕した。
「俺のこの力は勇者の剣を出す力なんですか?」
俺は疑問をメルテスさんにぶつけた。
「それはまだ調べてみないと分からないがこのギルドにはその人の力を調べられる機械がある。君さえ良ければその機械で力を調べさせてもらえないか?」
俺は不安だったが力を知って真衣のことを守るための力の正体を知りたかった。
「分かりました。お願いします」
俺はメルテスさんにお願いしその機械のところへ案内してもらった。そこは研究室のようで機械が置いてありそこに手を置くと力が分かるようだった。
「ではそこの機械に手を置いてみてくれ。そうすると、この機械からこちらの画面に情報が映し出されるという優れ物だ」
俺はメルテスさんに教えてもらった機械に手を置くと手がスキャンされて情報が近くの画面へと転送されていた。
「まさか君の力がこんな力なんて!!」
メルテスさんは驚きながらも俺たちに力の正体を教えてくれた。
「結論から言うと君のこの力は勇者の剣を出す力では無かった。この世にある無数の武器を具現化できるものだった。更にこの力はその武器を使っていた者の特殊能力自体を使うことのできるという能力だった」
「俺にそんな力があるなんて!!」
俺にそんな力を与えられていたことを知らなかったので彼の言ってる事がまだ信じられなかった。しかし昨日の魔物との戦いを思い出すと、もしかしたら本当なのかもしれないと思えてしまう。
「この力があればこれからもずっと真衣の事を守る事ができる」
俺は真衣の顔を見ながら笑顔を見せた。真衣もまた俺に笑顔を向けてくれた。この魔物のいる危険な世界でも真衣のことを守ることができるという事実は素直に嬉しかった。もう二度と真衣を失わずに済みそうな事が何より嬉しかった。




