お祭りの散策
「ホント懐かしい味だね。前に二人でお祭り行ったこと思い出すね」
真衣も思い出していたようで俺と同じ気持ちになっていた事が俺には嬉しかった。
「あれは付き合ってすぐの頃だったよね。花火大会に行って屋台で色々食べたよね」
俺がそう言うと真衣は「初デートだったような気がする。あの時に見た花火はすごく綺麗でたっくんと一緒に見れた事が私の一番の思い出だよ」と言いちゃんとあの頃の事を真衣も覚えていて一番の思い出になっていた事は嬉しかった。
「他にはどんな屋台があるんだろね。真衣と一緒に色々見れるの楽しいね」
俺は真衣の手を引き他の屋台を見て回った。お祭りの屋台は日本のお祭りとほぼ同じで射的、輪投げなどもあって食べ物も綿菓子、焼きそば、フランクフルト、タコ焼き、リンゴ飴、チョコバナナ、かき氷、じゃがバターなどなどがあり見て回ってるだけでも懐かしい気持ちになるものばかりだった。俺たちは広い都市の中を歩き回って遊びまくった。
「たまにはこういう日があってもいいね」
真衣が俺のことを見ながら呟いた。
「そうだね。たまの贅沢って感じだね。現世での事を色々思い出すね。現世で一人になってからはまた真衣に会ってこんな幸せな日が来るなんて想像もしてなかったよ」
「寂しい思いさせちゃってたっくんにはホント申し訳ない事しちゃったね。でもこれからはずっと一緒にいられるしそばに居るから安心してね」
真衣が優しく微笑んで俺のそばにしてくれることを約束してくれた。俺はその言葉が聞けて嬉しかったし真衣とこれからも一緒にいるためにも強くなりたいと思った。
「歩き疲れるくらい歩き回ったね。もう夕方になっちゃったね。そろそろ宿屋を探しに行こうか」
俺がそう言うと真衣は「うん。たくさん楽しんじゃったね。こんなにお祭りだと宿屋が空いているか不安だね」と言い俺たちは今日の宿を探した。これだけ大きい都市なので宿屋も色んなところにありとりあえず近くにある宿屋を訪れてみた。
「すみません。今日泊まりたいんですがお部屋って空いていますか?」
俺が宿の受付に聞くと「申し訳ありません。今日はもう満室になってしまって」と言われてしまい別の宿を探した。それからも何件か回ったが全部満室で俺は泊まるところが無いかもと不安になっていった。それから少しして都市の大きな道から少し外れた裏路地みたいなところに宿屋を見つけてそこで空いているかを尋ねた。
「すみません。今日って泊まること出来ますか?」
俺が宿の受付に聞くと「いらっしゃいませ。一部屋だけ空きがありますので部屋にご案内してもいいですか?」と言われ一安心した。
「よろしくお願いします。今日はどこも宿屋は混んでいるんですね」
「そうですね。このお祭りのために他の町から遊びに来てる方もたくさんいますのでこの時期は部屋が埋まってしまうんですよ」
宿屋の方に話を聞きながら部屋へと案内してもらった。
「それではこの部屋なのでごゆっくりおくつろぎ下さい」
俺たちは部屋に着いた。疲れもあり部屋でゆっくり過ごした。




