次の町に向けて歩き出す
「じゃあ腹ごしらえも出来たし次の町に向かおうか」
俺たちは朝ごはんを食堂で食べてから次の町を目指すために外に出た。
「王にもらった地図が役に立ちそうだね。この地図からして魔王の城までは結構距離あるしいくつかの町を経由して行かないとだね。結構歩く事になりそうだけど真衣は大丈夫? 昨日の足のこともあるけど」
俺は昨日足を捻った真衣の足が一番心配だった。
「もう全然痛みもないし大丈夫だよ。昨日の温泉も良かったのかも。今日起きた時には痛みが全く無くなってたよ。たっくんは心配性だね。私に対して過保護すぎるよ。でも心配してくれてありがとね」
真衣の足はひとまず大丈夫そうで良かった。確かに真衣に対して過保護なのは確かにって納得してしまった。でも一度真衣を失ってるからこその心配なんだと思う。
「じゃあとりあえず魔王城に向かいながら歩いて暗くなってきたらその道中にある町に泊まるっていう感じでいい?」
俺が真衣に尋ねると真衣は「うん。それでいいよ。せっかく二人っきりの旅なんだしこの時間も楽しみたいね」と真衣は楽しみながら旅をしようと言った。確かに真衣の住んでる町に戻ったら二人っきりのでずっといるってことも今よりは少なくなると思うし確かに真衣の言うように旅を楽しみながら二人の時間を大切にしたいと思った。
「この世界に来て間もないけどこの世界の人たちはみんな良い人ばっかりだね。俺と真衣がこの世界で生きられる事を女神様に感謝だね。」
俺は歩きだしながら話していると真衣は俺がこの世界を気に入った事が嬉しかったようでニコニコ笑いながら「うん。この世界素敵だよね。私この世界とここに住む人たち大好きなんだ。だからたっくんも気に入ってくれて私は嬉しいよ。これからもずっと一緒にここで生きようね」と言いながら真衣は二人の幸せを望みながらこの世界の幸せも願っていた。真衣の好きなこの世界を俺が守れるなら幸せな生活の為にもこの世界に住んでる人たちの為にも頑張って戦おうと俺は心に決めた。
「今から今日泊まる町がどんなところか気になっちゃうね。昨日の宿屋と今朝のご飯が凄すぎてハードル上がっちゃってるけどね」
俺はすでに今日泊まる町を楽しみにしていた。
「そういえばこれから歩く道の先に都市があったはずだよ。私も行ったことは無いんだけど地図見たのと住んでた町の人が都市に行く人が何人かいたから知ってる」
都市があるなんて知らなかった俺は一体どんなところなのか気になっていた。そんな他愛も無い話を続けて俺たちは歩き続けた。こんな何でもない時間が俺にとっては何よりの幸せだった。俺たちは昼頃まで話しながら歩いた。




