真衣との再会
俺が目を覚ますとそこは草原に寝っ転がっていた。
俺が辺りを見回すと近くに村らしき場所があった。俺はそこに向けて歩き出した。
自分の体は亡くなった時の二十五歳の体でこの世界に来ていた。
ここに来た目的の真衣を早く見つけるためにも俺は急いで近くの村に向かった。
俺がいた草原から歩いて十分くらいで村にたどり着いた。
村に着き俺は村の人に真衣の容姿を話してこの近くにいないかを聞いてまわった。
「黒髪が肩の辺りまでの長さで眼鏡をかけた女性なんですがこの村に来たことはありませんか?」
俺は村の全員に真衣の事を聞いた。すると真衣はこの村に寄ったらしくそれから近くの町に向かって行ったらしい。
しばらくこの村にも滞在していたらしく真衣の事を知っている人が多かった。
俺は村の住人にお礼を言い真衣を追って教えてもらった町へと向かった。
またすれ違いで会えないのはイヤだったので俺は急いで教えてもらった町にやってきた。
やっと真衣に会えると思うと俺の心は高鳴った。しかし不安もあった。
俺のせいで死んだ真衣は俺を恨んでいるんじゃないかと思うと会うのが怖い気持ちもあった。
でも俺は真衣に会って謝るって決めていた。いくら恨まれていたとしても俺は真衣に時間をかけて償う気持ちでここに来たんだ。
俺は町を急いで見て回った。そして遂に真衣の後ろ姿を見つけることが出来た。
俺は真衣らしき後ろ姿の肩を叩いた。
「真衣だよね? 俺のこと覚えてる?」
俺のことを覚えているか不安だったけど俺は声をかけた。彼女はこちらを向いてくれた。
「あ、たっくんだ」
真衣は俺のことを覚えていてくれて昔見せてくれていた笑顔を俺に向けてくれた。
「やっと会えた。ずっと真衣に会いたかったよ」
俺は真衣に話したいことが山ほどあったはずなのに真衣の顔を見て笑顔が見られたら涙が流れてきて、もう何も言うこと無かった。
「たっくん泣かないで。私も会いたかったよ。たっくんとまた生きていけるんだね」
真衣のその言葉が聞けただけでも俺はここまで来て良かった。
「真衣に恨まれてると思ってたから真衣も会いたかったって言ってもらえて本当にこの世界に来て良かった」
「たっくんを恨んだことなんて一度も無いよ。たっくんがそばに居てくれたから私は頑張れたしあそこまで生きられたんだよ。だからたっくんのおかげで素敵な人生過ごせたよ」
俺は真衣にそんな風に思ってもらえていたことが嬉しくて涙で前が見えないくらい泣いてしまった。
「たっくんは相変わらず泣き虫だね。そんなに泣かないで。これからはこの世界で前みたいに一緒にいられるんでしょ?」
前と全く変わっていない誰よりも優しい真衣がそこにはいた。僕はこの世界に来て本当に良かったと実感した。
「今度こそ真衣を失ったりしないから、俺が今度こそ真衣のこと守るからずっと一緒にいようね」
俺は絶対にこの笑顔を守ることを誓うのだった。




