自分の不甲斐なさ
俺たちはもう一泊させてもらい真衣との時間を楽しむことにした。
「真衣、怖い思いさせちゃってホントごめんね。真衣のこと守れるくらいの力が欲しい。もう二度と真衣を失いたくないからその為の力が欲しい」
俺は真衣のことをちゃんと守れなかったことを悔やんだ。また昔みたいに何も出来ずに真衣を失いたくなかった。その為にこの世界に来てまた真衣と一緒にいられるのにこのままだとまた真衣を失いそうで俺は怖かった。
「心配しすぎだよ。私がちょっとビックリして足捻っちゃっただけだし、たっくんは私を守る為に必死になってくれてるの分かってるから大丈夫だよ。それにまたここで出会えて一緒にいられる事が私にとって何にも変え難い幸せだよ。だからあまり自分を責めないで」
真衣は隣に座っていた俺の頭をポンポンって叩いてから頭を撫でて励ましてくれた。
「このまま旅を続けても真衣は大丈夫なの? 怖くない? もし怖かったら前にいた町に送っていくしその方が安全だと思うよ」
俺は一緒にいたい気持ちは強かったが真衣が怖い思いをするくらいなら町でのんびり暮らして欲しいと思った。
「私はたっくんと一緒に旅を続けたい。たっくんと一緒なら私は怖くないから。またたっくんと離れるくらいなら多少怖くても私はたっくんについていく。もうたっくんの側から離れたくないよ。せっかくまた出会えたんだから」
真衣は俺の目をしっかり見て今の思いを伝えてくれた。
「わかった。俺も真衣が側にいてくれると安心するし側にいて欲しい。だからこれからもずっと側にいてね」
俺も素直な気持ちをしっかり伝えた。
「ありがとう。これからもずーっと一緒だよ。今日はここの宿屋でゆっくりしよ」
「うん。ずっと一緒。そういえばここの宿屋の裏のところに露天風呂あるらしいよ。怪我にも効くお風呂みたいだし一緒に行かない?」
真衣は受付の方に聞いたらしく露天風呂に誘ってくれた。
「行こっか。一緒に疲れ取ってまた明日の旅に向けてゆっくり休も」
そして俺たちは一緒に宿屋の裏にある露天風呂に行くことにした。宿屋の裏から繋がった道に温泉がありそこからは湯気が立ちのぼっていた。
「おお。結構広いね」
俺は温泉の前に来てビックリした。思ってた以上に大きな温泉があった。日が少しずつ落ちてきて外が少し冷えていたので暖かそうな温泉に入るのが楽しみだった。
「こんなところに温泉あるなんてビックリだし昨日も入りたかったね。でも今日はたっくんも頑張って疲れただろうしこれだけおっきな温泉に入ったら疲れも吹っ飛ぶかもね」
そして俺たちは一緒に温泉に入ることにした。




