狼の群れ
そんな話をしてからも少しだけ武器庫の中を見学して全ての武器をイメージ出来るように武器を観察した。
その後、俺と真衣と兵士二人で武器庫から出て帰る前に王と王妃へ御礼を言いに行きたいことを兵士の方に伝えると「分かりました」と言い再度俺たちを王と王妃と所へ連れて行ってくれた。
「武器庫の見学をさせていただきありがとうございました。俺たちはこれで帰らせていただきます。ありがとうございました」
俺が王と王妃へお辞儀をした。その後真衣も慌ててお辞儀をした。
「いえいえ。お役に立てたなら良かったです」
王妃は優しい声色で答えてくれた。
「メルテスから君たちが魔王の討伐に向かってくれる話は聞いているので今後もよろしく頼む」
王は威厳のある声で俺たちを応援してくれた。
俺と真衣はもう一度礼をして王と王妃の前を立ち去った。二人とも素敵な夫婦で俺は真衣とこんな風に素敵な夫婦になれる事を想像しながら長い廊下を歩いていた。
兵士の方が城の入り口まで案内して俺たちは城を後にした。
そして城を出て城と外の境目にある橋を渡った。
そして橋を渡り外を歩いているとそこに魔物の群れが集まってきた。それは狼の群れだった。あっという間に俺と真衣の周りを囲まれてしまった。俺は真衣を俺の後ろにしゃがんでもらい真衣のことを守りながら戦う事にした。
俺はさっき見た槍をイメージして真槍デススピアを出した。その槍を手にした瞬間に頭の中に元々の持ち主の技を放ってる光景が頭の中に流れ込んできた。その槍をしゃがんでいる真衣に当たらないように頭の上でクルクル回すと、周囲に風が巻き起こり狼が飛びかかっても風で跳ね返されていた。そして槍を地面に突き刺すと周囲にいた狼たちに地面から無数の槍が突き上がってきて、狼たちを串刺しにした。そして周囲の風が弱まって俺たちが風から出ると10匹ほどいた狼は全て地面から出てきた無数の槍に刺さって倒されていた。
そこに城から近かったのもあり兵士たちが駆け寄ってきた。
「匠さん真衣さんお怪我はありませんか?」
来てくれた兵士たちに俺は無事であることを伝えた。
「真衣は大丈夫?」
俺が尋ねると真衣は笑顔を見せて「大丈夫だよ。たっくんが守ってくれたから無傷だよ」と答え俺たちは二人とも怪我は全く無かった。
「ご無事で何よりです。しかしこの大量のウルフからの攻撃を受けて無事で何よりです」
この狼がこの世界ではウルフと呼ばれているらしい。
「この近くにウルフが住み着いてるらしく王宮にもウルフが襲ってくることがあるのですが、我々兵士たちで王宮に入る前に対処していたのですが、あなた方に伝え忘れてしまって本当に申し訳なかったです」
俺たちに対して来ていた五人の兵士たちは頭を下げた。
俺は真衣を守れたことが何より嬉しかった。だが今後の旅でも気をつけていかないといつ魔物が襲ってくるか分からない事に不安を感じるのだった。




