旅の始まり
俺たちはご飯を食べ終え二つ並んでいる布団に入りそれからも今まで話せなかった分、真衣が亡くなった後のこと、真衣はこの世界に来てからの事をたくさんの話をしていつの間にか眠りについていた。
俺が朝起きると真衣が隣にいなくて隣の台所に真衣が立っていて料理を作っていた。
「おはよう。真衣は早起きだね」
「たっくんおはよう。まだこの世界に来て間もないし疲れてたんだね。でもたくさん寝られたみたいで良かった。もうすぐご飯出来上がるからちょっと待っててね」
真衣は楽しそうに料理を作っていた。この後ろ姿を見てると現世で暮らしてた頃にうちに来て料理をしてくれていた時のことを思い出す。そして俺は真衣のところに行き後ろから真衣を抱きしめた。
「たっくん急にどうしたの?」
真衣は驚いた顔をこちらに向けていた。
「また真衣と会えて本当に良かった。真衣の事があの頃から変わらずに大好きだよ。」
真衣が笑って包丁をまな板に置き俺の頭をポンポンと叩きそのあとに頭を撫でてくれた。
「大丈夫だよ。これからこの世界でずっと一緒に住むんだからこれからはずっと側にいるよ。だから大丈夫だよ。」
真衣は頭を撫でてから体の向きを変えて抱きしめ返してくれた。俺は現世でいた時を思い出していた。あの頃も俺を安心させるために頭を撫でてくれたりして俺のことを安心させてくれた。
「ありがとう。これからは俺が真衣を守ってみせるから」
俺はそう言うと真衣は嬉しそうに笑った。そのあと机に行き真衣の手料理を待っていた。
「はい。お待たせ」
真衣が美味しそうな目玉焼きとご飯を味噌汁を出してくれた。真衣と一緒に机に座った。
「いただきます」
「はーい。召し上がれ」
俺たちは朝のゆっくりした時間を過ごした。そして旅に出る準備を一緒にした。簡単な荷物をリュックに詰めて俺たちは町を出ることにした。
「じゃあ行こうか」
俺がそう伝えると町の人たちが「いってらっしゃい。気をつけてね」と言い俺たちを励まして送り出してくれた。
「ホント町の人たち優しい人ばっかりだね」
俺が真衣に伝えると「そうでしょ。だからこそ私はこの町にずっといたんだ」と笑いながら言った。
俺たちは王宮に向かって歩き出した。
「真衣は王宮に行った事はあるの?」
俺が真衣に尋ねてみた。
「この世界に来てすぐに挨拶に行ったくらいだね。でも王様も妃様も私のこと向かい入れてくれた」
真衣の律儀なところだなって思いながら俺たちは歩き続けた。そして二時間程度歩くと王宮が見えてきた。あまりの大きさに俺は驚きが隠せなかった。
「大っきいよね。私もここに初めて来た時は驚いたよ」
「ホントこんなに大きいとは思わなかった」
そんな話をしていると王宮の入り口に着いた。そこには門番が二人居て俺たちに気付き話しかけてきた。
「何か御用でしょうか?」
「実はギルドの長のメルテスさんから言われ王宮に飾ってある武器を見せてもらいに来ました」
「少々お待ちください」
俺がそう言い門番の一人が確認のために連絡を取っていた。
「お待たせしました。私が案内します。その前に一度、王と王妃がお待ちですのでそちらに案内します。」
そう言うと俺たちを王様と王妃様のいる部屋に案内してくれた。




