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06 どんな人でも弱る時は弱る
ウォルド様は悪魔に反逆を企てている大罪人である。
しかも、人類の敵であるエルフもかばうという大罪をおかしている。
客観的に見ると、かなり危ない人。
間違っても近づきたくないだろう。
けれど、私は真実を知っている。
人間に親切を働いている存在、天使の中身が、実は悪魔だという事を。
人間と手を組んで、人間に慈悲の心をみせながら、エルフと悪魔を滅ぼそうとしている天使。その正体は、実は悪魔だという事を。
人類が敵対している悪魔の中身こそが天使で、エルフが迫害されるのはただの濡れ衣なのだ。
けれど、牢屋で出会ったとき、その真実を知るものはこの世界には少なかった。
ウォルド様はそんな味方が少ない世界で、敵だらけの世界で、必死に生きていた。
自分が他正しいと思った正義を貫いていた。
悪魔を倒す、エルフを助ける。
そんな願いを抱いて。
けれど、内心自分ひとりでなしとげられるのかどうか不安だったのだろう。




