02 ファンクラブシステム
脱獄した後、しばらくはウォルド様と私は順調に旅を続けていた。
しかし。
「うぉぉぉぉん、ぶぉるどぉさぁまぁぁぁぁ」
「おい、うるせぇって。そんなに泣くな」
旅の中でなんかよくない病をもらってしまったのか、ウォルド様が倒れてしまったのだ。
熱がある。
覇気がない。
汗かいてる。
汗かいてる姿も色気があって恰好いい! それどころじゃなくて。
「あー、なんか物が二重に見えるな」
ウォルド様が、なんか朦朧としてそう。
やばい!
「うぉっ、ウォルド様がしぬぅっ!! 世界が終わるうっ!!」
「終わるかよ。縁起でもねーこと言うなって、てかうるせぇから眠れねー」
「寝ちゃだめですぅ。眠ったら、きっと目を覚まさまないーっ。ぴぎゃー」
「あんた、ほんとに女とは思えねぇリアクションするよな」
ともかく、この世の終わりを味わった。
ひとしきり騒いだ後、付き合いきれなかったらしいウォルド様が眠ってしまったのを見て冷静になった。
なんとしてでも治療せねば。
人類の至宝、至高のイケメンをこんな、ばっちい病でなくすわけにはいかない。
「病気を治すには、名医!」
私は、ファンクラブシステムを起動して、全世界のウォルド様ファンに語り掛けた。
ファンクラブシステムというのは、ウォルド様への愛がなした、奇跡の力。
どこにいようとも、私が布教したウォルド様ファンクラブの会員達に、私の見たもの、聞いたものを届ける事ができるのだ。
「全国の諸君! 実はかくかくしかじかなのだ!」
というわけで、大事件を説明。
名医を紹介してもらうことにした。
ファン300号のイリシアちゃん「でねーずむらに、とてもすごいおいしゃさんがいますわ」
なるへそっ。
ファン2000号のろーくさん「ソケットの裏街道にいるくそ爺の腕が良いぞ」
ふむへそっ。
ファン5674号の老師!「え? なんていったかの? これどうやってつかうんじゃ?」
それは仕えてますし、音声じゃないですよっ。
みんな、ありがとうっ。とっても頼もしいですーん。




