プロローグ
『異常者クラス』とは
その名の通り異常者だけのクラス。校舎は某有名な学校の敷地内にある廃墟となっていた場所を数年前から改築して、元廃墟から校舎へと変えた。
ちなみに今年完成したばかり。
『異常者クラスの人達』
異常者クラスの人達は全員『異常者』と思われ、言われている。
『異常者クラス』の生徒達は一応某有名な学校の生徒として扱われるそうだ。
異常者クラスの人達は、れっきとした某有名学校の生徒達とは違い、学校から少し離れた場所にあるその校舎へ通う。
✻ ✻ ✻
私は、その記念すべき『異常者クラス』の初生徒の一人...とでも言っていいかは微妙なとこだが、その『異常者クラス』の生徒として私はその某有名な学校の理事長から誘われた。
──双子の兄と共に。
最初は戸惑った。
そんな場所に誘われるとは思ってなかったし、何なら私と双子の兄が異常者と思われていた事に驚いていたからだ。
断ろうとも思った。
異常者だからと言われて、何をされるか分からないから。
だが、双子の兄は行ってみたいと私に言った。
私は「何故?」と問う。
理由は単純。異常者クラスに来る異常者達を見てみたいからだと。
あぁ、後はこんなことも言ってた。
「普通の学校に行っても面白くなさそう。」
「あ、異常者クラスに誘われた異常者達に
何で異常者クラスに誘われたのか聞いてみたい。」
双子の兄の理由を聞いて、私も一度だけ行ってみるだけ行ってみてもいいかもしれないとは思った。
...後から言っていた他の理由はとりあえず横に捨てるとして...。
...違う。置いといて、だ。
だが、何かあったらどうしようという気持ちの方が強かった。
それに気付いたのか、双子の兄は私の両手を握りしめて言ってくれた。
「もし、何かあった時は俺が守る。何があっても傍にいるから。
だから、一緒に行ってみよう。」
「それに、行ってみなきゃ何も分からないままだからな。
行ってみて、そこでまた判断すればいい。」
「『異常者クラス』の生徒として学校生活を送るか。
それとも、今と変わらぬままでいるかを...な。」
こくりと頷く。
そして私と双子の兄は『異常者クラス』へ行くこととなった。
✻ ✻ ✻
──桜吹雪が舞う中、私と双子の兄は『異常者クラス』へと向かう。
何があるか分からないという不安と、双子の兄と共に向かう『異常者クラス』で何を見て、知るのか。
この選択は
『期待』へ変わるか。
『後悔』へ変わるか。
未来の私達に
『幸せ』を招くのか。
『不幸』を招くのか。
─『希望』か『絶望』か。
この時の私達には知る由もないのだった。