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宇宙艦隊オッパリオン  作者: 桐生スケキヨとYOM
【第1部】【第1章】宇宙艦隊オッパリオン「オッパリオン編」
5/456

宇宙艦隊オッパリオン005話「Zリーヌンス該当者」

挿絵(By みてみん)

4話に続き5話の更新です。

いつも応援ありがとうございます、YOMです。

オッパリオンプロローグ編5話の更新です。

翔平と奈菜を救出にやってきた謎の女性アーリア。

彼女の目的とはいったい・・・。

そして、黒ずくめの攻撃を受けた翔平の運命はいかに!?

オッパリオンの命運を握る戦いは続く!!

今回の5話は、ミストレア艦長率いるスタティア組の活躍です。

是非ご一読ください!!

【〇〇五 Zリーヌンス該当者】


「アーリア機の発進を確認。続いてマーチャ機、セルシア機が発進します」

「提督、くれぐれも無茶はしないでくださいね」

『海賊に取った遅れは取り戻させてもらうわ。スタティアは海賊船に警戒して』

「了解しております」

 アーリアは目指していたシャトルが海賊に襲われていると知るや艦橋を飛び出し、機動兵器で出撃していった。

 突入部隊を用意している時間はないと判断し、自ら乗り込むという決断は早かった。

 ミストレアには少々無茶な案だとは思うものの、アーリアならなんとかしてしまうのではないかという気持ちもあった。

 艦に残された自分の使命はアーリアが目的を達成するまで艦を守ることと、アーリアの支援をすることだ。

「後方一二〇〇〇に艦影を確認。数、三。海賊の母艦と思われます」

「後方の海賊艦より熱源の発進を確認、数六。シャトルへと向かっています」

「護衛部隊を出撃させて。全艦戦闘配備」

「了解。全艦戦闘配備」

「提督、聞いての通りです。敵の増援も向かっているようですので」

『わかったわ。目的を回収してすぐに戻ります。それまで持ちこたえて』

「了解です。こちらはお任せください」

「海賊艦の加速を確認。本艦へと向かってきます」

「海賊艦を出た機動兵器三機が本艦へと転身」

「アーリア機、海賊機と交戦、突破しました、シャトルに取り付きます」

「海賊艦、後方九〇〇〇に接近。海賊機接触まで五〇秒」

「ミルキィーフィールド展開。対空迎撃戦用意。護衛機の展開を急いでちょうだい。フィールドを中和されたら危険よ」

「グラヴィス機、アリシェ機発進。メーティア機が続きます」

 母乳転換炉を搭載した機動兵器もまた艦船と同じようにミルキィーフィールドを発生させることができる。そのフィールドは他のフィールドを中和する効果があるため、艦船は機動兵器の接近を許すとフィールドが中和され、後方の艦船からの砲撃を受ける危険性が生じる。

 そのため、機動兵器を近づけないように護衛が重要となってくる。

 スタティアも海賊機を近づけぬよう、護衛の部隊が展開される。

「艦首回頭、敵艦を迎え撃ちます。全砲開け。砲撃戦用意」

「護衛部隊交戦に入ります」

「主砲、目標、後続の敵艦中央」

「護衛機は艦砲との射線に注意せよ」

「海賊艦距離七〇〇〇に接近。間もなく艦砲の射程に入ります」

「中央の敵艦に照準固定確認」

「距離六〇〇〇、本艦の有効射程に入りました」

「主砲、発射三連、撃て」

 ミストレアの指示の下、エネルギーを高収束させ重粒子化させた砲撃が三連装砲塔二基から一斉に放たれる。

 放たれたビームは戦闘中の機動兵器の横を切り裂き、海賊艦めがけてものすごい光量を発しながら一直線に飛ぶ。初撃の照射は海賊艦の脇を抜けてしまったが、その観測を受け二撃目は照準を修正される。追いかける二撃目は海賊艦を正面から捉えることに成功。

 だが海賊艦のミルキィーフィールドがビームの直撃を阻む。しかしエネルギー量の多いスタティアの主砲の直撃を受けたことによる衝撃は大きく、海賊艦は軽微ではあるが被害を被る。それがもう一撃加わる。

「主砲掃射、二発直撃。敵ミルキィーフィールド健在」

「さすがの練度ね。フィールドがなければ撃沈していたでしょう」

 ミストレアもスタティアの乗組員の練度に感心する。この距離で主砲を当てられるということはかなり困難だからだ。

「敵艦反転、後続の二隻と入れ替わります」

「主砲の直撃に臆したようね。左翼の艦から狙います。主砲射撃用意」

「主砲再装填中。発射まで三〇秒を要します」

「アーリア機シャトルを離れます。AIによる自律操作に移行した模様。マーチャ機、セルシア機が援護に入ります」

 その知らせはアーリアがシャトルに乗り込んだことを知らせるものだった。相手の数や装備もわからない中に単身乗り込むのは自殺行為のように思えるが、ミストレアはアーリアにはアーリアなりの算段があるのだろうと考えていた。アーリアは無策に突撃するような人物ではないからだ。

「敵艦二隻に高熱源反応、砲撃きます」

「回避」

 ミルキィーフィールドがあるとは言え、直撃を受けた時の衝撃や、フィールドが強く発生した時のエネルギー消費を考えると砲撃は回避するのが望ましい。

 スタティアは速やかに回避運動に入り、海賊艦からの砲撃を僅差で回避する。

「敵艦砲解析が完了しました。二八〇mm荷電粒子砲と推測。マーラ帝国の標準的な装備です」

「現用装備ですね。海賊にしては珍しいと言いますか」

 報告を受け、副艦長が独り言のように呟いた。

「ジャンプ前に追ってきた海賊艦しかり、ただの海賊ではないかもしれないということね」

 通常なら攻撃部隊の機動兵器が相手艦のミルキィーフィールドの無効化に行くのだが、あいにく攻撃部隊はアーリアと共にシャトルへと出向いている。

 今は防戦に徹するべきとは思いつつもミストレアには若干の歯がゆさもあった。数には劣っているものの優位に立てているうちに相手の数は減らしたいという思いがあったからだ。

「空間圧に感あり。高質量物体が当該宙域にジャンプ中です」

「なんですって?」

「ジャンプアウトまで二〇〇秒弱を要します」

「アーリア提督聞こえますか。敵の増援が来ます。おそらくはジャンプ前に追ってきていた連中かと」

『聞こえるわ。こちらZリーヌンス該当者と共に回収地点に向かってるわ。突入した敵部隊とも交戦中だけどなんとかするから』

 アーリアの通信はオープンで艦橋全体に響く。Zリーヌンス該当者と一緒ということがわかり、少しだけ艦橋に安堵の空気が広がった。

「艦をシャトルに近づけます。回避運動取りつつ進路変更」

「進路変更了解」

「防衛隊各機へ通達。本艦はシャトルへと進路を取る。離れすぎないよう注意されたし」

 防衛に出ている三機の機動兵器は巧みな連携を取りつつ、スタティアに海賊機を近づけないようにしていた。

 相手の数こそ減らせてはいないものの、艦へ寄せ付けない戦い方はミストレアが見ても優秀と言えた。それだけ、相手も戦いに慣れているように見える。海賊艦の動きも統率が取れており、とても海賊には思えない動きをしている。

「か、艦長!」

「どうしたの?」

「機関室より、出力低下の報告です。母乳機関が不安定になったとのことです」

「フィールドの維持を最優先に。艦速は落としても構いません。安定化急がせて」

「了解です」

 こんな時にと内心思ったが不平は口にしないのがミストレアの流儀だ。

 しかし機関部の不調は艦全体の行動に影響を及ぼすため、今後は主砲の射撃は不可能と思ってよかった。そうなると敵艦に距離を詰められてしまい、アーリアたちの回収に支障を来す恐れが生じる可能性がある。

「後続の一隻も戦列に復帰する模様。敵艦、本艦を包囲する動きを見せています」

「進路そのまま。今はZリーヌンス回収を最優先にします」

 こちらの艦速が落ちたことを、敵は目敏く見抜いたようだった。強気な行動に出ているのが見て取れる。

「敵艦さらに熱源を射出。機動兵器と思われます。数六、本艦へ向かいます」

 状況は一瞬で変わる。先ほどまでの優位性が薄らいでいく。

 敵艦に囲まれた状況でミルキィーフィールドを消失するのはあまりにも危険すぎる。

「対空戦闘用意。機関室の状況はどう?」

「出力、依然として不安定なようです。フィールドの維持と航行には問題ありませんが、砲撃に回すエネルギーが確保できていません」

「対空機銃は?」

「稼働率六十%ですが使えます」

「取り付かれるとやっかいですね」

「そうね。でも六割も動けばこのスタティアなら問題ないはずよ」

 ミルキィーフィールドの消失は必至だろうと思い、ミストレアは覚悟を決めた。もちろん、フィールドが消失したからと言ってすぐさま撃沈されるつもりはない。

 レーダーに映るアーリア機のシンボルは依然として自律動作で回避運動を続けている。アーリア機を守りながらであるせいか、僚機のマーチャ機、セルシア機も交戦中の機動兵器相手に攻めきれずにいた。

 アーリア機が戻ればこの宙域から離脱することも可能だが、今は逃げの手も許されない。

 そんな状況となった時、艦橋の隅の席で予言者が立ち上がった。

「シア?」

「……わたしも出ます」

「――お願いできますか?」

「……うん」

 ミストレアの言葉にシアは頷き、静かに艦橋から出て行く。

 予想外の行動に艦橋内に一瞬の静寂が訪れた。

「予言者殿の専用機を積んできたことが活かされますね」

 副艦長もどこか驚いたように、そんなことを言った。

「これで対空防御は期待できるわ。でも気を抜かないで」

「空間圧変動を確認、本艦後方距離一五〇〇〇に高質量体がジャンプアウトしてきます」

「この動きの速さ、ますますただの海賊ではないですね」

「最初から本艦を狙っている様子もあったものね。あのシャトルを襲撃していたことと言い、どこで情報が漏れたのかしら」

「本国の諜報部に要確認ですね」

「そうしましょうか。とりあえずこの場を切り抜けたら、ね」

「そうですね」

「高質量体確認。海賊艦と同型艦が三隻ジャンプアウトしてきました。艦影は本艦をジャンプ前に追尾していた艦と一致します。高熱源体を多数射出」

「シア機発進します。本艦の護衛に付くとのことです」

「シア、聞こえますか? 敵の増援が来ます。本艦へ取り付く前に排除をお願いします」

『了解』

 短い返事を返し、シア機が出撃していく。シアは単独行動となっており、僚機を伴わない。

 艦橋のすぐ正面をシア機が横切る。スタティアのすぐそばで臨戦態勢に入ったようだった。

「アーリア機、再びシャトルに取り付きました」

「敵機、本艦フィールド中和領域に侵入!」

「対空防御!」

 自動制御の対空機銃が一斉に稼動し、接近してきた敵機に対して射撃をはじめる。

 敵機は機銃を巧みにかわしつつスタティアに接近し、ミルキィーフィールドの中和を試みはじめる――が、その機体を一筋のビームが貫通していった。

「シア機、敵機撃破」

 その知らせと同時にスタティアの近くで敵の機動兵器が爆散する。その衝撃にかすかに艦が揺さぶられた。

『こちらアーリア。無事Zリーヌンス該当者を確保。でも負傷しているわ。格納庫に医療班を用意しておいて』

「了解しました。スタティアもシャトルに向かわせていますが追っ手に包囲されつつあります」

『わかったわ。こちらは負傷者と民間人を乗せているので戦闘機動は取れないので、一度艦へ戻ります』

「了解です」

 アーリアからの通信は艦橋の全員が聞くことができた。Zリーヌンス確保に安堵したのもつかの間、負傷しているということで艦橋に緊張が走った。

 敵の後続もスタティアを包囲する動きを見せている。

 スタティアはまだ予断を許さない状況の最中にあった。


いつも「宇宙艦隊オッパリオン」を応援頂き誠にありがとうございます。

小説家になろうの機能の評価とレビューの方も、お時間御座いましたら何卒宜しくお願い致します。

読者の皆様の声が、レビューが、評価が、「宇宙艦隊オッパリオン」の明日をつくる!!

面白い作品に仕上げていく為にも、些細な事でも気楽にレビュー頂けますと幸いです。

スケキヨとYOM、引き続き精進して参る所存です!!

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