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宇宙艦隊オッパリオン  作者: 桐生スケキヨとYOM
【第1部】【第1章】「オッパリオン篇」
13/487

宇宙艦隊オッパリオン013話「海賊の立場」

挿絵(By みてみん)

前回の物語は――。


スタティアを取り囲む、マーラ帝国の地方軍。

応戦の為に初めての戦闘に挑んだ翔平は、溢れ出る力により正気を失い、ゼータリオンの力を敵に見せつける。

敵軍艦を3隻沈めることに成功したスタティアは一路、オッパリオン星を目指し、超光速航法で戦線を離脱していった。

そんな中、同じ宙域に移動してきた宇宙海賊が見たものとは――。


宇宙艦隊オッパリオン13話始まります。

【〇一三 海賊の立場】


「なんだこれは……」

 輪っか付きを追って当該宙域にジャンプアウトしてきたアルガノスが目撃したのは帝国軍偵察部隊の残骸だった。

 かろうじて生き残りがいるらしく、救命艇と数機の機動兵器が救助を待っている状況らしかった。

「メルクコアの輪っか付き一隻で、偵察部隊を壊滅させたようですね」

 副長がそんなことを言うが、前回の強さを思い出せばそれも不可能ではないと、アルガノスは思い至った。

「救助活動に回りますか?」

「いや、俺たちは国籍不明の海賊だ。軍の始末は軍に任せておけばいい」

「キャプテン、前方救命艇より通信。救助を求めるとのことです」

「繋げ」

「了解」

『こちら帝国宇宙軍所属巡洋艦メルゴダ艦長のダンゼルだ。貴艦に救助を請う』

「こちらは宇宙海賊クロノチュウイキのアルガノスだ。すまないが救助の要請は受けられない。ここは帝国軍の領海だ、まもなく救助が来るだろう」

『負傷者がいる。そいつらの収容だけでもしてもらえないだろうか?』

「できないな。こちらも航海の途中なんでね」

『くっ、海賊が……!』

「航海法に従う義理もないんでね。ところで、ここでなにがあった?」

『さぁな。化け物に襲われたんだ。輪っか付きの艦を見かけたら気をつけた方がいい』

 輪っか付き、その単語を聞き、アルガノスは副長の顔を見た。

 やはり輪っか付き――スタティアと交戦したらしい。

 副長は黙って頷く。

「その輪っか付きはどうした?」

『やるだけやったらとっととジャンプして行ったよ。メルクコアの艦らしいが、なんなんだありゃ。海賊ごときが狙うには過ぎた相手だぞ』

「ご忠告ありがとうよ。貴艦の航海の無事を祈る」

『無事もクソもあるかクソったれ』

「通信を切れ」

「了解」

 救命艇との通信を切ると、アルガノスはため息をついた。

「さて、この後はどうしたものか。あいつの足ならここから一気にオッパリオン星系まで跳べるだろうな」

「ですがオッパリオンは現在帝国軍によって包囲されています。母星にZリーヌンスを持ち帰るのは難しいでしょうな」

「ああ。だが帝国軍に捕捉されると撃沈されかねんからな。そのまに奪取しなければならないが……残りの母乳貯蔵量でオッパリオン星系までジャンプできたとしても交戦は厳しいな」

「あの輪っか付きなら包囲を突破する可能性もありますからね」

「ああ。そうなると奪取は難しくなる。まったく正規軍とは違う命令系統で動いている弊害だな。情報の共有もあったもんじゃない」

「そのために海賊に偽装しているわけですからね」

「だいたい上の連中はZリーヌンスに懐疑的だからな。殿下は例外だったがあの力を見せれば他の連中も信じる気になるだろうが」

「いかがしましょう?」

「うーむ……」

 今からジャンプしたとしても、加速性の違いや距離もあり、輪っか付きに追いつくのはかなりの時間がかかってしまう可能性が高い。

 それにできれば正規軍が動いている宙域には出たくないという思いもあった。

 アルガノスが思索を巡らせていると、通信士のひとりがこちらを振り返る。

「キャプテン、本国より暗号通信」

「繋げ」

「了解。主モニターに回します」

 すると主モニターには人のシルエットのみが映し出された。

『ご苦労アルガノス』

「これは殿下、お久しぶりです」

『殿下はよせ。誰が聞いてるかわからないんだからな』

 シルエットの人物はどこか気品のある口調でそう応えた。

「そうでしたな。それで、なにかご用件ですか?」

『先ほど我が軍の偵察部隊が壊滅したとの連絡が入った。足止めにと思って当たらせていたのだが失敗したようだ』

「そのようですね。今その現場にいます。救助に当たりますか?」

『いや、その必要はない。すでに最寄りの基地より救助隊を向かわせている。輪っか付きの件は箝口令を出す予定だ』

「あの輪っか付きはオッパリオンへ向かっています。どのみち正規軍との交戦もあるでしょうな」

『この際正規軍にも多少の被害は被ってもらうのも仕方がないだろう。Zリーヌンスの存在を身をもって思い知れば考えも少しは変わる……というのは希望的観測か』

「でしょうな。――それで、自分たちは追撃を続けますか?」

『当然だ。貴艦には引き続きZリーヌンスを追ってもらう。――が、少し趣向を変えるとしよう。状況も変わった』

「ほう。と、言いますと?」

『間もなく正規軍がオッパリオンのエネルギータワーを攻撃する。首都防衛隊と交戦になるだろう』

「ふむ……」

『貴艦にもその現場に居合わせてもらいたい』

「はは、海賊が正規軍と共闘するんですか?」

『そうではない』

 シルエットの人物も笑う。

『海賊にはあくまで海賊らしく振る舞ってもらう。そのための指令を送ろう』

「わかりました。ですがこちらは母乳貯蔵量がわずかです。一度補給を受けさせてもらえませんかね?」

『わかった。補給艦と合流できるように手はずを整えよう。一度体制を整え、万全の状態で次の任務に当たってもらいたい』

「それで次の任務ってのはなんですか?」

『アティルーン――オッパリオン第一皇女の奪取だ』

 予想外の言葉に、アルガノスは思わず言葉を失った。


次回は土曜日更新予定、引き続きよろしくお願いします!!


いつも「宇宙艦隊オッパリオン」を応援頂き誠にありがとうございます。

小説家になろうの機能の評価とレビューの方も、お時間御座いましたら何卒宜しくお願い致します。

読者の皆様の声が、レビューが、評価が、「宇宙艦隊オッパリオン」の明日をつくる!!

面白い作品に仕上げていく為にも、些細な事でも気楽にレビュー頂けますと幸いです。

スケキヨとYOM、引き続き精進して参る所存です!!

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