暗殺通告書
女子A「ねぇ、知ってる?」
女子B「なに?」
女子A「''暗殺通告書''」
女子B「なにそれ〜笑」
女子C「あっ!知ってる!家に着くと玄関に
''時刻と場所、宛先''と''暗殺通告書''って書いてある手紙が届くんだって〜!!」
女子B「えーこわーい笑」
女子A「その殺し屋に殺しの依頼も頼めるんだってぇ〜!!」
女子B「むかつくやつとか?」
女子A「そー!!」
女子B「えーやっぱり怖いよー!」
女子AC「ねーーー!!」
家に着くと、差出人が分からない手紙が届いている。
中には''時刻と場所、宛先人''が書いてあり暗殺通告書と書いてある。
それが届くと本当にその時刻、場所で死ぬらしい。
──────ガチャ
「ただいま……」
────バタン
ドアの音が返事のない帰ってこない家に響く。
「……って誰も居ないか」
「……ん?何これ……」
大量の手紙の中に1枚の異様な雰囲気が漂う手紙があった。
「篠崎 様………」
ビリッ
「19時……XXX-XXX…ってここ!?
19時ってもうすぐじゃない……暗殺……通告書」
女子C「あっ!知ってる!家に着くと玄関に
''時刻と場所、宛先''と''暗殺通告書''って書いてある手紙が届くんだって〜!!」
女子達の会話を思い出す。
「本当なら、こんな生活から解放され……いやいやいや、ないでしょ。今どき暗殺って……日本で……あほらし」グシャッ
淡い期待とバカバカしさを感じながらぐしゃぐしゃになった手紙を捨てた。
─────カチカチカチ
部屋には時計の音だけが響いていた。
19時まで、あと三分。
「(あと……もう少し……)」
有り得ないと思いつつ、例の殺し屋を待つ…
「(残り……1分)」
ドクドクッ
心臓の音が五月蝿いのが自分の耳でもわかる。
カチカチカチカチカチ……カチッ
「19時……」ゴクリ
\ピンポーン/
ビクッッ
「(まさか……本当に……!?)」
恐る恐る玄関に向かう。
「は、はーい……」
「おいっ!誰が閉めろって言ったんだ!!」
聞き覚えのある怒鳴り声。
覚えたくもない、聞きたくない声。
─────ガチャ
ドアを開けるなり勢いよく迫る父。
「俺が帰ってくることは知ってただろ!!」
「は、はい……すみませ……」
バチンッ!!!
怒鳴る声と私の頬を思い切り叩く音。
音と同時に私は倒れ込んだ。
「─────!!!」
浴びせ続ける罵声。
「────────!!!!!!」
もう何言っているのかも聞き取れない。
父は私と母に毎日暴力と罵声を浴びせ続け、
数ヶ月前遂には私を残し母は自害した。
父は母が死んだことによりより一層私への虐待はエスカレートしていった。
学校で頼れる友達もいない。
虐待がバレることを恐れた父は私が友人を作ることを禁じ、それを知らないクラスメイトは私をノリの悪い暗いやつ認定した。
そのままイジメになり、私は学校でも家でも辛く苦しい日々を送っていた。
が、
────グサッ
突然血を流しながら倒れる父を見て困惑していた。
「篠崎 裕二の娘、篠崎 雪音だな。」
父の背後から現れたのは、黒ずくめの服を着た20代前半、いやもっと若い男だった。
片手にはナイフを持ち、もう片方の手で父を捨てるように投げた。
「……はっ、はい……」
何故か、興奮していた。
死への恐怖はあったが、なによりやっと苦しみから解放される喜びの方が大きかった。
「篠崎 雪子お前の母からの依頼だ。
篠崎 裕二の殺害と娘、雪音の保護。」
え……?
「これからお前は俺と共に暮らす。」
え…………???
「着いてこい」
えぇ………………………………??????
「(嘘でしょ?殺し屋と……暮らす……?)」
だが、何故かすぐに受け入れた。
母の自殺で死が怖くなり、その前から考えてた自殺が出来なくなった。
だから、この手紙は最後の希望だった。
しかし、検討はずれの答え。
死ねもせず、生きるしかないのなら。
殺し屋にでもなんにでも着いていこうと思ったのかもしれない。
これは、得体の知れない殺し屋青年と一人の少女の物語─────────