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超絶エリートの俺が異世界に行くなんて  作者: 吟遊詩人F
日常と異世界チュートリアル
20/352

ミハイル

思わぬ臨時収入で大金を手に入れたので、鈴木は武器か防具を買う事にした。受付の人にお礼を言って武器屋へ戻った。


「らっしゃい」


鈴木はマジマジと武器や防具を見て回った。


「やはりロングソードと盾かな」


鈴木は剣と盾を持ってみて少し振り回してみる、片手で長い剣と大きめの盾も軽々と持ち上げる事が出来た。多分勇者の威風スキルの能力補正というやつだろう。鈴木の体格でこれは有り得ない、自分自身に起こっているマンガの様な出来事に苦笑いしながらゆっくり品定めを行う。無理かなと思いながらツーハンテッドソードを持ってみると、片手でなんとか自由自在に振り回せた。体感ではロングソードが軽い金属製のバットくらい、ツーハンテッドソードが木製バットくらいの感覚であった。盾もラウンドシールドと体を覆えるくらい大きなライオットシールド以外にも店にずらりと壁に飾らせていた。色々考えたが素人が盾を持ちながら戦うのは難しいと考えツーハンテッドソードだけを購入する事にした。


「これを下さい」


鈴木はサイフ袋から請求された金額を支払うと店を出た。店を出た鈴木の目にとても興味深いものが飛び込んできた。店の対面にある鍛冶屋から不思議な光が漏れていた、興味本位で近づいて行くと鍛冶屋の親父がトンテンカン、トンテンカンと忙しなく大きな戦斧を入れ槌で打ち付けていた。


「あのそれは何を」


鈴木が話かけるが


「話かけるな!今忙しいんだ」


鍛冶屋の親父に怒られてしまった、でも斧から出てくる火花とは違う光が不思議で綺麗でいつまで見てても飽きなかった。時間を忘れ2時間程黙って見ていると鍛冶屋の親父が話かけてきた。


「なんだあんた、こんなの見て楽しいのか?」


「ええ色んな光が出て花火を見てるようです」


「おかしな奴だな」


「これって何をしてるんですか?」


「ああ、武具への属性付与だ」


「属性付与?」


「こいつの持ち主は、南南西にある死者の都に向かうらしい。この大戦斧に光属性を付与した」


鍛冶屋の親父は大戦斧を両手で何とかひっくり返すと、大戦斧から白い光がキラキラと輝いた。鈴木は目を輝かせ質問する。


「もしかして、剣に炎属性とか出来ますか?」


「火属性はポピュラーだな、出来るぞ」


「是非この剣に火属性を付与して下さい」


「おいおい、属性付与の工賃いくらだと思ってんだ。金貨5枚だぞ」


鈴木はサイフ袋の中身を空いてる机に広げて全財産を数えた。金貨3枚、銀貨191枚、銅貨322枚。一括で払うと手元には銀貨4枚、銅貨22枚残る計算だった。


「じゃあお願いします」


鍛冶屋の親父は少し驚いたが


「どれに付けるんだ?」


鈴木は短剣と先程手に入れたツーハンテッドソードのどちらに付与するのか少し悩んだが、やっぱり派手さを求め、ツーハンテッドソードに付与する事に決めた。


「こいつに付与するんだな?キャンセルは出来ねーぞ」


「はい」


「じゃあ、こいつに名を刻むから名前を付けてくれ」


「剣に名前?」


「ああ、名を刻む事でより属性付与の効果を定着させられる。お前の剣だ名前を付けろ」


鈴木はまた少し悩むと


「ミハイル、ミハイルにします」


「そうか良い名だ、明日のこの時間にもう一度来てくれ」


鈴木はミハイルを預けると村長の家に戻って洞窟に入る準備を整えた。あの冒険者達はかなり高額な謝礼金をくれたようだ、人の命には変えられないが、それでも受け取った大金に申し訳ない気持ちと感謝をした。鈴木が一息つくと唯美と敬太の事を思い出してしまう。鈴木は首を振ると目の前の冒険に集中した、精神を保つには現実逃避をする事も大事である。


「ふぁーあ」


徹夜したせいで眠気が最高潮に達した。鈴木が横になるとすぐ眠りについた。

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