入学試験2
俺達は再び魔術試験場へと戻ってきた。
復旧も見事にされ次の試験は俺の番だ
「火よ、灯れ」
風が吹けば消えそうな炎だけどこれが普通だからね?
あのジルさんとそれからクロムがおかしいだけだからね?
だって皆今から魔術とか剣術とか学ぶわけだしなどと自分に言い訳して魔術を行使する。
素人同然の動きでみっともないがそれでも見様見真似で野球の投げ方みたいに火を投げつける。
そんな動きが一回で成功するわけもなく、次やってもあと少しのところで当たらなくて三回目でようやくコツをつかんだのか的の外側をかすかにかすりなんとか合格になった。
他の人たちは立ったまま魔術を使う中俺と同じく野球のフォームで火の玉を当てたやつがいた。
それがザック・リッパーさんだ。
そしてザック・リッパーさんは俺とのすれ違いの時に確かに「野球」といったのだ。
この世界では知るはずのない言葉を……
もしかして彼は
「ザック・リッパーさん」
「どうしたんですか?次は剣術の試験ですよ、皆さん終わったので」
「ええ、それは分かってるのですが、もしかして貴方は……」
「次の試験でその答え分かると思いますよ」
そしてザック・リッパーさんは剣術の試験へと臨んだのだった。この世界にはまずないであろう刀、日本刀を腰にさして。
「では、次、ザック・リッパーさん」
「はい」
今回の試験の内容だが先生が作ったゴーレムに剣を一太刀入れれば合格となる。
時間は無制限だ。
ちなみに反撃されても打ち身程度で済むような攻撃力になっている。
「それではお願いします」
開始の合図とともに距離を詰めたザック・リッパーさん
そして「先生このゴーレム破壊しても大丈夫ですか?」そういい先生が「ええ」と返事をした瞬間に上と下で真っ二つに切裂いたのだった。
間違いない……絶対にあいつ日本からの転生者もしくは転移者ださっきの発言といい日本刀での戦闘といいあと何人かはこっちに来ているとみていいかもなとそんなことを考えている間にクロムとそしてジルさんの試験が終わり両方とも合格そして次は俺の番だ。
といっても今回は問題ない。
何故なら俺とクロム二人でだけどすでにスライムを討伐した過去があるからだ。
スライムのほうがこのゴーレムよりも強い筈、だから今回こそは普通にクリアできるぞ。
などと思い試験で配られている剣を握り俺は自分の呼ばれる順番を今か今かと待ち望んでいる。そして、その時は来た。
「では、次、アンリさん」
「はい」
「それではお願いします」
俺はだいぶ後のほうでいくらでもゴーレムを見る機会があった。だからゴーレムの動きをかわせる!!っと思考があっても体が追い付いてこないのだ。
ぐふ、といいのをもらい地に伏せる。
これ、絶対に明日青くなってるパターンじゃんなどと思いながら起き上がる瞬間にクロムの顔が一瞬見えた。「なに、泣きそうな顔してんだよ……この程度倒せなきゃ先に進めねぇんだよ。神様からのチート能力?そんなのまってらんないね」
そして俺は倒れても倒れても立ち上がる。
そして気づいたことがある。
このゴーレム攻撃するたびに動きが鈍くなっていることに。
恐らく先生の配慮だろう。なんせ時間無制限だ。諦めないで動いていればってか
そして俺はようやくゴーレムに一撃入れることが出来た。「神様……本当に俺のチート能力は何なんですか」