入学試験
入学試験当日俺とクロムはライト学園へと来ていた。
ふぅ、やっぱり緊張するよな。
なんだかクロムは凄く余裕そうだけどさ。
「アンリ、緊張しすぎ」
クロムにそう指摘され慌てたように取り繕う
「べ、別に全然緊張してないし」
内心凄い緊張している。
心臓バクバクである。
「そういうクロムはどうなんだよ」
気を紛らわせようとクロムに話を振る。
するとクロムは一言。
「余裕」
といった。
……
「まあいい、俺最初魔術の試験だから……クロムもそうだったよな」
「うん」
相槌をされ俺達は魔術試験へと臨む。
神様本当に俺ってチート能力あるんですよね?
六年生きてきて全く持って実感がないんですけどなどと考えつつ俺達は魔術試験会場へと入った。
「はい、次、ジルさん」
「はい」
先生に呼ばれジルといわれた女の子が前に出る。
20mほど離れた的に魔法弾を当てればクリアらしい
ちなみに威力などは関係なくチャンスも3回とある。
「火よ、灯れ」
10㎝ほどの火の玉が現れそれが的めがけて直撃する。
的は燃えそこは跡形もなくなった。
「ジルって子すげぇな」
俺のこの一言が余計だった。
数分前に戻せるなら今すぐにでも戻したい
「私のほうがすごいもん……」
「はい、次、クロムさん」
「はい」
クロムが俺を睨んだかのように見えそして5つある的すべてに対し
「火よ、灯れ」
なんといえばいいのか、そう、まるで小型の太陽ほどの火を作り出し等間隔に置かれ絶対に火の玉では当たらないようにできている的を攻撃した。
先生は魔法防御で必死に他のところに被害が出ないようにしている。
それを超えてクロムは攻撃する。
「オーバーマジック」
ジルさんがそう叫ぶと目に可視化できるほどの魔力が集まっていく。
そしてそれを使い魔法防御をしてみせる。
それでもクロムの火の玉いいやあれは火玉ではなく超炎球……むかしにSランクのメンバーが使っているところを記憶した記憶水晶で見たことがある。
あんなのどうすればいいんだ、クロムそんなに怒ってたのかな?おれは慌てふためき気づいたら「やめろぉぉぉぉおおおお」と叫んでいた
するとクロムのベルが光を輝かせたかと思うとクロムの超炎球による攻撃は終了していた。
クロムがすべてを灰にしたことによって試験は一時中断となり午後からとなった。
「クロム、悪かった」
俺がジルさんのことを褒めたから恐らく対抗意識でしたんだろう。だけどこれだけは言っておかないといけない。
「でもな、クロム、あれはやりすぎだ」
クロムがしゅんっとなる。
「だから、ちゃんとジルさんと先生に謝りに行こうな」
クロムの頭を軽くぽんぽんと叩いてやると
「うん、じゃ一緒に行こうアンリ」
といって俺も謝りに行った。
最初は先生に謝りに行くと先生は全然大丈夫ですよといい、今年は優秀な逸材が居ますね。と言われそれに付け加えて「しかしだからこそ力の扱いをちきんとこの学校で学ぶよう」にといわれた。
そしてジルさんに謝りに行くとそこにはもう一人男の人がいた。
「やあ、君がクロムさんだね
僕はザック・リッパー、君の力直接見たかったよ」
そう言ってザック・リッパーさんとジルさんは僕達の真横を通りすぎて復旧された試験会場へと向かった。