6歳
俺とクロムは出会ったその日からずっとパーティを組んでいた。
そしてちょうど明日で一年。
Fランクの薬草採取も野宿せずその日にこなせるし何ならモンスターとの戦闘だって可能になった。まあまだ一番弱いスライムとだけど……。
「ギルドマスター、はい、これ」
今日こなした分の2ベルを払う。
だがギルドマスターは受け取らなかった。
それはクロムの分もだ。
「ギルドマスター?」
「お前たちももう6歳か」
「はい」
「うん」
俺とクロムが返事をする。
するとギルドマスターが何やら重そうに抱えたものを俺達に見せた。
「これはお前達から預かっていたクエストのお金だ、これでお前達は学校行きなさい」
学校?この世界にも学校ってあるの?
「ギルドマスターこの世界にも学校ってあるんですか?」
俺が聞くと当然の様にギルドマスターはあると答えそして
「試験を頑張りなさい」
といって俺達にお金を渡した。
そのお金の重みがずしんと来た時俺のこの一年の頑張りが見えた気がしたそして、よし明日の試験頑張るぞとそうおもった。
「アンリ起きてる?」
「うん、起きてるよ」
「なんだか眠れないね」
「クロムもやっぱり眠れないの?」
「柄にもなくアンリが緊張してるんじゃないかって考えたら可笑しくて眠れないよ」
「ずいぶんと余裕だな」
「まあね、みててよアンリ、私が一番だから」
「一番って何?」
「今はまだいいの」
「あっそ、そんじゃお休み」
「うん、お休み」
そうして俺とクロムは明日の入学試験の事を考えながら寝たんだ。