クエスト2
そもそも俺達ギルドメンバーにはちゃんとした申請をしないと本来ギルドメンバーにはなれない。
俺は赤ん坊のころにギルドマスターに拾われたから例外として他の人たちはそれ相応にギルドマスターが適正を見てギルドに加えるかどうか決めている。
そしてクロムさんの場合は異例だった。
ギルドマスターは用心深い人なのでまずその人に問題がないか次に家族に問題がないかなど十二分に調べてからギルドへの加入を認めるのだ。
しかしクロムさんの場合はどうだろう。
何にも調べずにその日に加入を認めている。
もっといえば勝手にクエストをしたにも関わらずちゃんと報酬も支払われギルドマスターがそれを受け取っているのだ。
「ギルドマスター、その子と知り合いなのですか?」
「なんじゃ?……まあええよ」
あのギルドマスターがここまでいうなんて何なんだ?この子。
などと思いながらもギルドマスターからちらっと目線を外しその子を見る。
するとその子と目線があい気まづくなって目線を外した。
「まあ、いいですけどね、それじゃ僕はまたクエストに行ってきます」
「それじゃ私も一緒に行くよ、ね、ギルドマスターいいでしょ」
それだと俺の取り分が減るんだが……いいや一緒のクエストを別々に受ければ問題ないのか?
でもわけわかんない人とあまり近づきたくないし、まあ外見はきれいだけどさなどと思っていると
「ああ、気をつけてな」
などとギルドマスターが言ったもんだから俺達はクエストを一緒に受ける羽目になったんだ。
「えっとさ、クロムって呼べばいいの?それともクロムさんのほうがいいの?」
俺はなるべく優しく聞いたすると「私、貴方の事アンリって呼ぶからアンリもクロムってよんでいいよ」って返して来たので
「それじゃわかったよクロム」
クロムって呼ぶことにした。
「よろしくね、アンリ、でさ……早速だけどクエスト行こうよ」
「んっと、まあいいよ Fランクでよければだけどね」
「私達の年じゃFランクしか受けれないでしょ」
その言い方だとクロムはFランク以上の実力があるって言っている風にも聞こえなくはない。
確かにギルドマスターに一発でギルド加入が認められた実力者だけどさ、じゃ何故クロムは俺と一緒に冒険に行くんだろう?
「ほら、いくよ、アンリ」
クロムが先にクエストを取り僕たちは森へと向かった。
少しは体力がついてるのか前よりは早く森についた。
これなら野宿する前に帰れそうだな……いいや夜の森は危険だやはり今回も野宿だな。
そして俺は固い干し肉を取り出す。
するとクロムがずっと俺の干し肉を見ていた。
勘違いかもしれないと思い干し肉を左右へと動かす
するとクロムはそれにつられ左右左右へと顔を動かした。
なるほど自分の分はもう食べ終わってなくなったから俺の分がほしいのか……
まあいいや、少しだけなら
そう思い俺は固い干し肉を半分に裂くとその半分をクロムに渡した。
するとクロムは嬉しそうな顔で食べた。
「アンリ、ありがとう」
「どういたしまして」
そして俺達は寝床をそれぞれ準備する
収納箱から布を出しそれを広げ木に紐をかけるいつもの奴だ。
クロムも同様にして俺達は寝る。
どうせ一日じゃ帰れないから採取は明日だなと二人で話し合った結果翌日に薬草採取することになった。